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存在を押しつけることをやめた。

ゴールデンウィーク後、れんぽんからまたLINEがくるようになって、わたしも毎日感じたことや想いを送っていた。
それに加えて、毎朝今日の仕事の進め方を連絡していた。
でもそれは仕事にかこつけて、れんぽんにわたしの存在を忘れさせないようにしていただけ。
だってそんなの会社で伝えればいいだけのこと。
わざわざLINEする必要ない。
頼まれたわけでもないし。
毎日気づいたことや、おもったことをLINEしていたのも、わたしはここにいるよ。忘れないで。って言いたかっただけ。
そんなことしたって、なんにもならないのに。
れんぽんはたぶん読んでいない。
読んでるときもあると思うけど、読んでいないことのほうが多い。
LINEに入れたメッセージがらみの話が会社で話題にのぼったとき、LINEにも同じこと入れたのにと言ったら「忙しいんだよ」と。
他にも、あの件どうなった?みたいなこときいても「そんな話あったっけ?」と。
いつだかの返事にも「ゴメン、時間ない」と。
前はLINEした内容のことを聞くことはいっさいしなかった。
でも、聞いたらこんなことだ。
いいかげんもうあきらめなよって思う。
本当に伝えなくちゃいけないことだけの連絡手段にした方がいい。
本当に伝えなくちゃいけないことなんて、そんなことあるのかな。

れんぽんがわたしをいやしてくれたように、わたしもれんぽんのいやしの存在になりたかったけど、かなわない。
たまに思い違いしてしまうことがある。
れんぽんもわたしのこと好きなんじゃない?と。
そんなことあるわけないのに。
れんぽんに「誤解されて困るようなことは言わないで」って言ったことがある。
「冗談でも聞きたくない。もし冗談で言うなら最後に、なんてねってつけるとか」って言ったあと、しばらくのあいだは何も言ってこなかったけど、最近また言うようになった。
ああ、この人もわたしを求めてるのだな、と思ってしまうようなことを。

わたしの告白の返事にラクス・クラインの思想になぞらえて「自分の想いを相手の答えに押し付けない。期待しない。願った答えを期待しない。当たり前の事です。見返りも求めません」と。
ありえないよね。

このあいだ、お昼休みにれんぽんがどう過ごしているかはじめて知った。
お昼休みもわたしはちょこちょこLINEしてたけど、もうやめた。
れんぽんは姿勢を正して目を閉じて瞑想しているように見えた。
いやしの存在になることはかなわなかったけど、せめて、邪魔な存在になることだけはやめようと思った。
会社が休みの日は、れんぽんはアルバイトをしている。
休みなく働いて疲れるよ、そりゃ。
からだもこわすよ。
せめて、わたしがストレスの原因になるようなことはやめよう。

わたしがメッセージを送らなくなったら、LINEは自然消滅するとしか思えない。
でももうやめよう。

ずっと思っていた。
せめて、そこだけでもつながっていたくて、そこだけでもよりそっていてほしくて・・・

れんぽんが、どんな思いで仕事をしているか、どんなことを考えているのか、どんな覚悟をもって勤めているのか知った。
れんぽんがわたしの部下に話していた。

好きになってごめんね。
仕事がんばれなくなってごめんね。
その好きの気持ちを、仕事に向けられたらよかったのにね。
力になりたいなら、支えになりたいなら、好きすぎて仕事が手につかないなんてあってはならない。

れんぽんは思ってないかな。
歯車が狂った、と。

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