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修行法としての金剛界曼荼羅

前に、仏の智慧の働きについて
金剛界曼荼羅に見る智慧の働き|鈴木良実 (note.com)
を書きました。

しかし、金剛界曼荼羅の伝えるものは、これだけではありません。
金剛界曼荼羅は、九つの部分からできています。右下の降三世三昧耶会から降三世三会、理趣会と上がり、左に一印会、四印会と動き、下の供養会、微細会から右の三昧耶会に行き、中央の成身会に至る、向上門という見方があります。

この向上門の考えは、神仏の助けを得るためにも、大切な教えです。

まず右下隅では

降三世明王の力で貪瞋痴を除去

します。私たちの心にある

自分のための欲望に振り回されない

ようにするのです。神仏の助けを得る最初は

まずは小さな我欲を捨てる

ことから始めます。

次に、右上の理趣会は

皆が良くなるという
大きな欲を持つ

という教えです。つまり

自分だけでなく世界をよくする

ために神仏の力を願うのです。

次に、左に行くと、一印会で

私たちにも大日如来の力がある

と示されます。全ての法界を自らのモノとする、大日如来の姿を見て、この力が自分にあると観るのです。

さて左側から中央に向かう、残りの部分は

大日如来の力の詳細

です。まずは四印会で、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智に展開します。さらに、その詳細が色々な側面から描かれ、全てがまとまるのが

中央の成身会

です。

この考え方は、仏の拝み方として

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