パンドラの嫁の年末年始スペシャル⑥チチコ不審者と遭遇の巻
皆さんおはようございます。
いよいよ年末年始スペシャル最終回です。
年末年始スペシャルはこの回のために始まったといっても過言ではありません。
ではどうぞご覧下さい!!
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【12:30】
その日はじーちゃんの誕生日だったので昼に実家に行く予定だったのですが、チチコがコインランドリーのバイトだったので娘と2人でチチコの帰宅を待っていました。
玄関が開く音がしたので「あ、チチコ帰って来たな」と思って待っていると、「はい、はい、あ、じゃあまた戻らないといけないんですね、はい・・・」とチチコが携帯で誰かと話す声が聞こえます。
嫁「ねえパパ~、コインランドリー戻らなきゃいけなくなっちゃったよ~」
すず太郎「え?何で?」
嫁「今さ~コインランドリーに不審者がいてさ~、チチコはそ~っと帰って来たんだけど、バイトのおばちゃん(チチコ休みの日に働く相方)に何にも言わないのもいまずいと思ってLINEしたらさ~、『私の時にいたら怖い!!』って本社に連絡したみたいなんだよ。そしたら本社の人が警察に通報したみたいでさ~・・・。」
すず太郎「うん、ということは?」
嫁「パパ連れてって♪」
正直面倒くさいと思いましたよ。でも不審者だし、警察現場検証してるって言うし、行かないわけにいかないので車で5分の場所にあるコインランドリーに向かいます。
この時の予想ではそんなに時間もかからないだろうと想像していたので、娘も一緒に連れていき、帰りに実家によってじーちゃんばーちゃんと食事するつもりでした(チチコがどうしても出前館で釜めし頼みたいって1か月前から言っていたので)。
で、家族一同車に乗り込み、いざ出発!と思ったとき、重要な事に気付きました。
「不審者ってどんな奴?」
まあ史上最弱に近いチキンハートの我が嫁が、あまり慌ててなかったので危険性は低いのだろうと勝手に想像して娘まで連れて現場検証に向かおうとしていましたが、何も聞かないのはおかしいので一応確認です。
すず太郎「不審者ってどんな奴?」
嫁「最初は外からしか見えなかったんだけどさ~、上半身裸なんだよ」
すず太郎「上だけ着てなかったの?」
嫁「ううん、下も履いてなかった。丸出し。」
すず太郎「この寒いのに真っ裸ってことか~。それは不審だねぇ。」
嫁「でしょ?でもさ~、そういう人は刺激しない方がいいと思って、そ~っと帰って来た」
すず太郎「それは正解だね」
嫁「でしょ♪」
すず太郎「で、その人コインランドリーの中で何してたの?」
嫁「え?座ってじーっとしてたよ」
すず太郎「それってさ~、洗濯してたんじゃない?」
嫁「え~、着てるもの全部洗っちゃったの?」
すず太郎「いや、見てないから分からないけどね。でも何歳ぐらいの人?」
嫁「うーん、30~40歳ぐらいのね~、ちょっと黒っぽくてね・・・」
すず太郎「(校長先生か?)」
嫁「頭のてっぺんがハゲてたんだよ。まーるくね。」
すず太郎「それ、カッパじゃない?」
嫁「いや、若いおじさんだった」
すず太郎「(だろうね・・・)」
【12:45】
そうこうしているうちにコインランドリーに到着。
先にパトカー1台とカブ2台が到着しており、警察官4名がコインランドリー前で待機しています。
いつもはモジモジするはずの我が嫁が、今日に限って颯爽と車から降り警察官の方に向かっていきます。
まあ私が一緒に行く必要はゼロなので娘と待機しています。
娘「ねえパパ~、不審者って今いる?」
すず太郎「ここから見る限りいないねぇ」
娘「どこ行ったのかな~」
すず太郎「裸だったら遠くには行けないよね~」
娘「でもさ~そんな裸で歩き回ったら寒いよね~」
すず太郎「そりゃ寒いよね~。だってチ○チ○丸出しだもんね~。」
アハハ・・・アハハ・・・アハハ・・・♪
5分経過・・・
チチコ一向に戻る気配がありません。
パトカーの横で警察官2名は待機していますので、残りの2名と現場検証なんでしょう。
10分経過・・・
相変わらず戻る気配なし
15分経過・・・
暇すぎて私は携帯のゲームを始めます。
娘も正直飽きています。
そんな中、ふとパトカーを見ると、さっきはいなかったおじさんと女性が合流しています(後から分かったのですが、私服警官でした)。
20分経過・・・
ようやくチチコが車に戻ってきました。
嫁「ねえパパ、まだ終わらないんだよ~」
すず太郎「長くない?」
嫁「長いよね~。でもさ~、警察の人の話だと、この後不審者が戻ってくる可能性があるから、一緒に覆面パトカーで待機して欲しいって言うんだよ。私しか不審者見てないからさ~。」
※チチコ人生初の張り込みです
すず太郎「分かった。じゃあもう少し待ってた方がいいの?」
嫁「ううん、パパの車があると不審者が警戒するかもって警察の人が言うから、先に実家に行って釜めし食べててよ。終わったら実家に(覆面パトカーで)送ってくれるって言うから。」
すず太郎「オッケー。じゃあ先に行ってるよ。」
そんな訳で張り込みチチコを残し、娘と実家に向かいます。
娘「ねえパパ~、チチちゃんまだ終わらないの?」
※張り込みについて説明し、娘も理解しました
娘「でもさ~、不審者って戻ってくるのかな?」
すず太郎「戻って来ないでしょ。真っ裸だし。」
アハハ・・・アハハ・・・アハハ・・・
【13:30】
娘と実家に到着。
この時私は「(じーちゃんとばーちゃんにこの一連の流れを説明するのは非常に面倒くさい・・・)」という気持ちでいっぱいで、正直テンションは激下がりでした。
ばーちゃん「あらすず太郎さん、遅かったわねぇ」
一連の流れを要約して説明。
すず太郎「・・・ということなんで、釜めし先に食べててという感じになりました」
ばーちゃん「あら良かった。じーちゃんが『先に食べるか』って10回ぐらい言ってたから。ヒッヒッヒッ。」
※その横でじーちゃんは既に食べ始めています。今回に関してはこういう性格の方でむだに長い説明がいらなくて良かったです。
【14:30】
ようやくチチコも実家に到着。
さすがにお腹もすいたようで、冷めきった釜めしをムシャムシャ食べながらハイテンションで一部始終をじーちゃんばーちゃんに説明します。
結局不審者はその後現れず、時間は無駄に過ぎたのかもしれませんが・・・。
ここでじーちゃんが一言
「チチコちゃん、警察は(一緒に張り込んだ報酬として)何かくれないのか?」
※チチコは伝説の刑事でもアルバイトでも何でもありません
【14:55】
娘が近所の友達と15:00から遊ぶ約束をしていたので、急いで我が家に帰宅。
その車中でチチコが張り込み中の話をし始めました。
嫁「あのさ~、たぶん警察も暇なんだろうね。」
すず太郎「なんで?」
嫁「なんかさ~、この不審者を事件にしたいみたいでさ~『私たちが絶対捕まえますから!!』って力説するんだけどね、こっちは釜めし食べたいじゃん?もう早く終わって欲しくてさ~。」
すず太郎「そりゃそうだよね」
嫁「でもさ~、こっちはハゲおじさんが真っ裸で真面目な顔して座ってる訳でしょ?だんだん可笑しくなってきちゃって笑いをこらえるのに必死な訳よ。なのにさ~、警察の人は真面目な顔で色々聞いてきてさ~。」
すず太郎「うんうん」
嫁「最初に『上半身裸で下も何も履いてなかった』って言ってるのにさ~」
すず太郎「うん」
嫁「下はストッキングは履いてませんでしたか?って聞いてきてさ~」
すず太郎「なんで?」
嫁「知らないよ~。最初っから履いてないって言ってるのにさ~。」
すず太郎「で?」
嫁「だから『履いてませんでした』って答えたらさ~」
すず太郎「うん」
嫁「じゃあ『タイツは履いていませんでしたか?』って聞いてきてさ~。なんじゃそりゃ?って感じしない?」
すず太郎「するね~」
きっと警察官はこういうイメージをしていたのかもしれません。
それは置いといて、新年早々地域の安全を守るために出動して下さった警察の方々ありがとうございました。
あ、その日の夕方、警察からチチコに連絡が入り、
警察「あの後防犯カメラの映像を確認したんですが、確かに上半身裸(だから下も履いてないって)の男性は確認できたのですが・・・」
嫁「はい」
警察「コインランドリーから出ていくときに服を着て出ていきました」
嫁「はぁ?」
謎は深まりますね。
一旦おわり
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