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第⑦作 ムーミン谷の仲間たちを読んで~スナフキンの心を満たした小さなあの子~

こんにちは!


9つの物語の本質的なメッセージを、

トーベヤンソンの生涯・想いと、 

キャラクターの性格を深堀して読み解く、

新しいムーミンの楽しみ方。


というテーマで

第七作【ムーミン谷の仲間たち】を読んで
ストーリーにどんなメッセージが秘められているのか
私なりに綴ってみました^^*

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※この作品のすべての内容は

一個人である私の見解であり、

公式のキャラクター・実在の人物とは

一切関係ありません。

ご了承の上、お楽しみくださいませ!


※ネタバレ注意です※


この一冊の本は、

9つの物語からできています。


物語に登場するキャラクターたちはこちら!


孤独を愛する、スナフキン
古くさい常識や偏ったオトナたちを嫌うホムサ
形の無い恐怖に怯えるフィリフヨンカ
幻の竜をつかまえたムーミントロール
自分だけの世界を持ちたいヘムレンさん
いじめられて姿を失ったニンニ
ニョロニョロに憧れるムーミンパパ
ビロードの犬セドリックを手離すスニフ
クリスマスを知らないムーミン一家


その中でも印象に残ったストーリーのうち、

スナフキン・ホムサ・ニンニ・

ムーミンパパ・クリスマスのお話を

今日から4回に分けて紹介します♪

第七作

まず紹介するのは、ひとつめの物語

私がだいすきな

『春のしらべ』

すなふとティー


スナフキンと

ティー・ティー・ウーのおはなしです。


「春のしらべ」のメロディが

今まさにやってきたスナフキン。


そんな彼を偶然見かけて、

強い憧れをいだいていた小さな「はい虫」は

タイミング悪く声をかけます。


そのおかげで、すぐそこまできていた

メロディーは消えてしまいました。


ちょっと不機嫌になるスナフキン(笑)


けれど彼はまだ名も無きちいさなはい虫。


自分に名前をつけてほしいと

純粋で、情熱的なはい虫のおねだりに

スナフキンは仕方なく答えることに。


スナフキンがつけたその名は、

「ティー・ティー・ウー」。


もらったばかりの自分の名前を、

ちいさなはい虫は

うっとりとした声で反芻しました。


その声はスナフキンの背中が

ぞくっぞくっとするほどの

魂がこもったものでした。


そしてなにも言わずにティー・ティー・ウーは

突然姿をくらませてしまいます。


翌朝、

方向すらも考えられないまま歩く

スナフキンの頭からは、

あの小さなティー・ティー・ウーのことが

頭から離れません。


自分でもなぜか解らないまま

無我夢中、衝動に身を任せて

来た道を引き返したスナフキンは、

必死で彼の名前を何度も叫びます。


やっとのこと

ひょこっと現れた、ティー・ティー・ウーは

スナフキンにこう言います。


「これから起きるできごとは、

 ぼくティー・ティー・ウーに起こるんです。


 だからぼくは、ありったけ生きるのを

 急がなくちゃならない。


 もうずいぶん時間を

 むだにしちまったもんでね」


だから、憧れていた君にさえ

構っている余裕は今はないんだ、と。


スナフキンはその瞬間、

彼の言葉に深く満たされます。


自分が名前をつけたことで

『自我』を持ったちいさな存在に

深く満足したのです。


ティー・ティー・ウーがこれから

『自分というたったひとつしかない命』を

謳歌できることを識って。


そうして最初に降りてきた旋律よりも

さらに美しくなった「春のしらべ」が

スナフキンの帽子のしたで動きだしたのです。


*********

なんだか、ギューッと胸を締め付けられるような

素敵なお話ですよね(´;ω;`)


トーベ・ヤンソンは

本当に心に響く作品を残してくれました。


『春のしらべ』いかがでしょうか?😊


次回は

古くさい常識や偏ったオトナたちを嫌うホムサ

のお話を紹介します。


おたのしみに♪




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