見出し画像

第⑥作 ムーミン谷の冬を読んで、まだ知りえない世界の美しさを感じました

こんにちは!


9つの物語の本質的なメッセージを、

トーベヤンソンの生涯・想いと、 

キャラクターの性格を深堀して読み解く、

新しいムーミンの楽しみ方。


というテーマで

第六作【ムーミン谷の冬】を読んで
ストーリーにどんなメッセージが秘められているのか
私なりに綴ってみました^^*


※この作品のすべての内容は

一個人である私の見解であり、

公式のキャラクター・実在の人物とは

一切関係ありません。

ご了承の上、お楽しみくださいませ!


※ネタバレ注意です※

第六作

この物語は、ふとした拍子に

冬眠から目ざめてしまったムーミントロールが、


ひとり、見たこともない「冬」の世界に

投げ出されるおはなし。


そして、フィンランドの冬の魅力を、

思いきり味わうことができるのも、

この作品をおいて他にはないと思っています^^*

画像2

ムーミンが目をさますと、

いつものおだやかであたたかな部屋は、

見る影もなく・・・


不安と恐怖がムーミンを襲います。


ママはなにをしても起きないし、


春に読むはずだった

スナフキンの手紙を何度ながめてみても、

短すぎる言葉は

その時の彼にとっては、なぐさめにはなりません。


ミイも冬眠から目覚めていたけれど、

「ひとりをたのしむ」ことを心得ている彼女は、

ムーミンには目もくれず

ウィンタースポーツにいそしみます(笑)


ミイはたくさんのキャラクターと接するけれど、

物語の最後までつかず離れずの

一定の距離感を保ち続けていました。


ある日

ムーミンが雪についた足跡を辿っていくと、

たき火をしているトゥーティッキに出逢います。

トゥーティッキ

https://www.moomin.co.jp/


彼女は、ムーミンに

「オーロラはたしかに存在すると思う?

 すべてのものはあいまいで、

 だからこそ私を安心させてくれるの」


「雪はつめたいとみんな思っているけれど、

 雪で小屋をつくるととてもあたたかい。


 やわらかいと思っているけれど、

 とても固くもなる。


 なにひとつたしかなものはないのよ」

と語りかけます。


トゥーティッキの言葉はどれも

ものごとの本質を見抜いています。


スナフキンが

「太陽と夏の歓びをうたう詩人」なら、


彼女は

「闇と冬の美しさをうたう詩人」です。



トゥーティッキの言うように

ムーミンは日々を過ごすうち、

恐れていた冬の世界が、視点を変えれば

まったく違う顔を見せることに気がつきます。


そして

冬だけに姿を見せる住人たちが織りなす、

冬至のかがり火を見たムーミンは、


自分たちが知っているまぶしい季節だけが、

真実ではないことを理解していきます。



そんな帰り道、

ムーミンは激しい吹雪に襲われます。


風に逆らい、進もうともがくけれど力尽き、

最後には体を自然にゆだねることになりました。


そこで気づくのです。


身を凍らすほどに冷たいと思っていた風が
あたたかいことに。


そして風は体を軽くさせ、

空を飛ぶような

不思議な体験もさせてくれました。


「むやみにさからうのではなく、

 その力を認めた時、

 大自然は手を差し伸べてくれる」・・・


ムーミンは自然から

たくさんのことを学んでいきます。



この第六作も、

大切なメッセージがたくさーん

冬の星空のように散りばめられています。


原作の中でも一番メッセージ性が強いかも、

と個人的に感じています^^*

私が大好きな作品のひとつです。


最後にトゥーティッキの

素敵な言葉を紹介して

この記事を終わろうと思います。


長い冬のあいだ

ムーミンがどれほど淋しい思いをしていても、

彼女がなぐさめの言葉をかけることは

ついぞありませんでした。


ようやく春がおとずれたとき、

彼女はムーミンにこう言いました。


「どんなことでも、

 自分で見つけ出さなきゃいけないものよ。


 そうして、自分ひとりで、

 それを乗り越えるんだわ」


**********


いかがでしたでしょうか?


この第六作【ムーミン谷の冬】は

トーベ自身が人生の迷路に迷い込み、

精神的にも激しい吹雪の中にあった時に

書かれた作品です。


だからこそ、一つ一つのメッセージが

重みをもって伝わってきます。


人生の迷子になった時、この物語が

あなたを救い出してくれるかもしれません^^*


ぜひ手に取ってみては、いかがでしょうか?


記事を気に入っていただけたら サポートして貰えると嬉しいです^^* 執筆者として生きる活力になります✨