コミュ障は短歌でチョップできたのか

2月25日に、大阪で行われる短歌のイベント・短歌チョップ2へ行ってきました。泊まりでイベント参加なんて、はじめてのことです。しかも、運営スタッフも参加する人たちも半数くらいはフォロワーで、以前から知ってる人で、会ったこともある人たちで、お酒を飲んだこともある人たちで、仲良しの女性もいて……だからますます楽しみでした。

たぶん、短歌の催しよりも“顔を合わせる・お話しすること”が楽しみだったかもしれません。いかにも、女性的な考えです。あ、でもちゃんと展示は見て、短歌ショーも見ましたよ。(短歌のショー??)(トークショーだった)

私と同じような考えの人はきっと何人かいたと思います。楽しいですよね。「ひさしぶり~キャ~」と盛り上がるのって。「はじめましてこんにちは♪ワタクシこういう者ですぅ」「あ、あの方!」「お会いしたかったですぅ♡」なーんて、そういうの。

でも、忘れちゃいけないのが「一回もこういう催しに参加したことがなくて、でも勇気を出して初めてココに来た人」「単に短歌に触れたくて来た人」「twitterの人ではないが来た。フォロワーなんていない人」です。忘れてしまいがちですが。

彼らは何人くらいいたのでしょう。そして、どうしたのでしょう。滞在時間はどれくらいだったのでしょう。

私も偉そうに書いていますが、当日はそんなことはみじんも考えておらず、内輪で話していました。

短歌チョップのみならず、イベントには「内輪でしかしゃべらない」「内輪に向けて発信してる」「内輪ウケ」はあります。文学フリマでもそうで、知り合いにあいさつし知り合いの同人誌を率先して買う。そこらじゅうで、「円形になって話をしている」。知らん人は入れない。入るには、すでにtwitter上で仲良くなっていなければならない。

一見さんは、というと、仲が良いも何も顔が知られてないんだから、誰も知らないわけです。「どもどもー」と名刺を持って割り込んでいくか、だれか捕まえて橋渡しをしてもらうか。かなり高い難易度ですよね。輪に入っていけない人はそこで終了。コミュ力のない人間がたくさん集まっているというのに、コミュ力がないとその輪(もう輪じゃなくて巨大なクラスタ)に入れない。コミュ力がないから、一人でコツコツできるから、この趣味を選んだのに…という人だってたくさんいるはず。

えてしてイベントは内輪向けになるのはしかたないように思えます。私も十数年前、小さなライブハウスでの音楽イベントに参加したことがありました。その場を共有したかったのと、なんとなく参加者と友達になりたいなと思ったからです。しかし受付ではすでに仲良しであろう人たちが、受付ブースそばで陽気に騒いでいて、失敗したなと思いました。すでにできている輪に入れなかったのです。その人たちにとって私みたいな人間は、視界に入っていません。誰に気づかれることもなく、フライヤーの案内に沿って時間を過ごし、帰りました。ネットのない時代、どこでみんな仲良くなるのだろう。そうか、常連か……いつもライブハウスにいるような常連、か……。じゃ、しかたないな。

だからと言って短歌チョップがそういうわけではないですし、ちゃんと短歌のあれこれを発信しているので、誤解なきよう。

人生はどこへ行ってもコミュニケーション力が必要なのですねぇ。

となると、こういった系のものは「積み重ねでできている」と言えます。顔を合わせることの積み重ねです。何度も何度も行き、あの人また来てる=好きなんだな=やっとお話ができる。そしてステップアップするためには懇親会などへ行き、一緒にお酒を飲む→企画に参加できるまでになる

また、こういった意見を目にしました。

受付の女性に多くを望むのは酷というもの。私は前述の音楽イベントで受付ブースでの、イケイケ女スタッフと来場した男の戯れでスルーされた経験があるので、それくらい問題ないのでは…と思いましたが。

ただ、今後の課題として考えたことがあります。


ここで考えたのは、受付以外に案内係を常駐させてみたらどうか、ということ。コミュニケーション力があり、恥ずかしがり屋で人見知りの人をさばけるパワーのある人で、顔が広い。そういうスタッフに「ここのフロアではこういうことの発展のためにこういうことをやってます」と説明してもらったらどうでしょう。

初めてだと確かにうろうろしてしまいますし、タイムテーブルと簡略な説明文を読んでもナンノコッチャだと思います。「よく分からんし、帰るか」となってしまってはもったいないです。

バイトじゃねーし、そこまでやれないっつーの。という思いもありますが、短歌の発展と拡大のためには、そういうことも必要なのかも、と。

人見知りさんも、フロアをめぐるとき一人じゃないから心強いです。それを大きく謳えば「行っても大丈夫そうだし行ってみようかな」と思う人はいると思います。イベントで一人ってかなりきついです。いや、もともとイベント参加なんて一人なんですが、やっぱり勇気が、ね。

案内係・説明係という名前は堅苦しいですが、もっとライトにお話ししてくれる人がそこにいるだけで、コミュニケーション能力がゼロに近い人は安心して参加できるのではないかと思うのです。

人は役割を与えられるとがぜん頑張るものです。「案内係」という役職(役職????)を与えることにより、よりよいミッションを遂行してくれるのではないでしょうか。

「短歌チョップ」が短歌にチョップして現状を打ち破る暗喩だったのか、参加者同士で「来たよーチョーーップ!」と脳天に手刀打ちして笑いあう意味なのか私は分かってないのですが、初めてさんに後者はめちゃくちゃハードルが高いので、案内係(ついでにあの人は〇〇さんですよと紹介してくれる)の人がいたらいいのかなーと思う次第です。ちなみに私が関西に住んでいたら、次回の短歌チョップで案内係を買って出ると思うな。うん、顔は広くないけど、やってみたい。いや、関東からでも大丈夫かも。やろうかな。案内係長、って役職でももらってさ。(役職??)






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