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だから“詞”の裏を読みなさいよ

ネットサーフィンをしていてたどり着いたサイトを読んだ。どうやら2000年前後に作られた古いサイトらしい。

アイドルの館

http://www.geocities.jp/hiromi_shibugaki_matchy/hiromi.html

面白いサイトで、70年代のアイドルソングの歌詞の意味の分からなさを「分からない、意味不明、爆笑」とぶった斬っている。
歌の意味が分からない……確かに古い歌なので分からないのかもしれないけど、キミさあ、ちょっとわからなすぎではないかと思ってしまった。
想像力、想像力!
その文章から想像するのだよ。自分の体験や思い出と照らし合わせる、コジツケでもいいから無理やり意味づけしてみる。
自分が無知なだけで、他人はわかってるかもしれないじゃん。なのに「わからない」を連発するって……ダメウーマン!!

文章そのものの意味・上っ面だけの意味だけ読んじゃそりゃわからんでしょう。

1978年の郷ひろみのヒット曲『禁猟区』という歌があります。それについて書かれてあった。これ、カッコよすぎるタイトルよね。おわかりでしょうが、鳥獣の猟をしてはいけない区域の話をしてるのではありません。聖域(比喩)の話なの。

さしずめ僕はハンターで 広い野原をどこまでも
獲物求めて駆け巡り
狙いを定めて引き金を引くはずが 
そこから先は 点点点 点点点
shotgun honey
shotgun honey
ずるいよ君は いつも最後は笑顔 僕にはどうにもお手上げさ

(禁猟区/郷ひろみ(1978))


僕は男だからラブハンターだよ、でも君は聖なる少女だから僕はおいそれとハンティングできないんだ。追い詰めて、愛の言葉で仕留めようとしても笑顔でかわされてしまう。ここは、君の「聖域」だからハンティングもできないのさ。

という、簡単な意味なのですが…

「そこから先は点、点、点」という歌詞も意味が不明。歌詞抜粋「あながち僕はハンターで腕の未熟もかえりみず逃げれば追うの癖があり」獲物が逃げるとつい追ってしまうと言うこと?すごい歌詞だ。主人公はハンターなんだけど、何でハンターである必要があるのだろうか?さしずめ(笑)獲物は女なんだろうけど。(サイト本文より抜粋)

それ三点リーダじゃないの

男はハンターと言うのはよく言われているたとえであり、原始時代、男は猟に行き、女はコロニーで家と言うか洞窟みたいな場所で男の帰りを待っていた。獲物を捕らえた男は英雄、だから男は今もそのなごりで英雄になりたいし「追いかける」ことが好きなのであり、本能で逃げるものを追う。
ガールハントと言う言葉もあるじゃない。ハンターである必要性は大いにあるのだよ。

私が思うに「そこから先は点、点、点」は、“そこから先は………”ってこと。「点点」ってリーダのことだと思います。狙いを定めたけど君の笑顔を見てしまい、引き金を引けなかった心理や、無言の間合いと、静止した時間が流れ出してゆく描写がうまい。シーンが浮かぶ詞だと思う。作詞の阿木燿子って天才じゃん!

意味不明で終わらしちゃダメ

たまにこういった、「意味が分かんない」と投げてしまう人に会う。投げるのってもったいないなあ。自己流に読んでもいいんだよ。この人はわからないなりに、いろいろと見解を述べているから、投げてはいないのだけどね。

ちょっと前、ちらっとツイートを見ただけですが、短歌総合誌で「わからない歌の対処法」という特集があったらしい。よく知らないのだけど。
やっぱり、歌意は分からないとだめなのかねぇ。わかりやすい歌がいいのかね。どストレートだと詩情も何もなくない?というか、分からないのを分かろうと考える作業が楽しいんだけどな。

歌詞も短歌も、裏の意味と言うか本当の意味があるのよね。まあ、詩なんだから意味は半分くらい分かればいいほうかも。あと半分はわからなくても、またそのうち分かってくるかもしれない。あ、ダメなのは「サッパリ分からない歌」。全部意味不明なのはダメよね。

ということで今日の言いたいこと。

◆分からなくても投げない、笑わない。ほかの人は分かっている場合あり。
◆表面だけで読まず、裏で何を言っているのか、それが聞いたことのない比喩で、作者独自の比喩であっても考えてみれば面白いのではってこと。
◆こういう詞や詩は、ほとんどダブル・ミーニング。両方優れた表現であればなおいい。たとえば別の歌だとRCサクセション『雨上がりの夜空に』なんて、表の意味も裏の意味(エッチなほう=こんな夜におまえに乗れないなんて~)も素敵な詞だと思うわ。そもそも『雨上がりの夜空に』に裏の意味があるか知らんけどたぶんあるでしょう。(いいかげん)













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