気ままなレビュー その1 a walk in the park / 安室奈美恵(1996)


思いついた楽曲について、つれづれな短い文章を書いていきたいと思います。あと、いちおう短歌を詠むのが趣味なので、それも詠もうかな、と思います。

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淋しさの代名詞かな公園の安室奈美恵があゆむ背の空(たえなかすず)


ずっと今まで読み方が『ア・ウォーク・イン・ザ・パーク』だと思っていました。「エイ」なんていうのは歌の中でカッコつけてるだけで。でもホントは歌詞もタイトルも『エイ・ウォーク・イン・ザ・パーク』なんですね。

どうやら調べてみたら不定冠詞の"a"に強い意味を置きたいとき(「ある~」「ある、ひとつの」と、したいとき)に、「エイ」と発音するときがあるそう。

しかし、そもそもこのタイトル、不思議ではあります。なぜに公園……?

・「a walk in the park」というイディオム(慣用句)がある…カンタン・どうにかなるさ・気楽に行こう という意味

・そのまんま、「公園を歩く」

の二つの意味があるようです。ダブルミーニング的な歌詞?

というのは作者の小室哲哉氏がどうしても詞が浮かばず、どうにもならない気分のときに公園を散歩していて思いついたときの詞、と聞いたからです。なんかマジでダブルミーニング的。

小室さんの詞は、全く意味のない詞のときとなんだかイイ感じの詞のときがあって、この曲はイミフ寄りにジャッジしていたのですが、タイトルの謎を知って

公園+歩いた=小室の実体験≒作中主体が恋愛の悩み系で公園散歩→∴どうにかなるさ(なった)

という式(?)になったのでちょっとすごいなと思ったのです。


昔からの知人で、小室哲哉似の人がいまして。顔が似ていると生き様も似て来るのか、軽い感じで生き、社長になり、カワイコちゃんと結婚…しかし別離。昔もチャラかったのですが、いまだにチャラさは変わらない。若いおねーちゃんのように私を扱ってくれる。だからまだモテるのはわかるなぁ。小室さんはオジサンになったけれど当人は、小室のお爺さんみたいになってしまった。本人を超えてしまっている…別の意味で。彼に「小室哲哉に似てるよね」と言ったことはありません。だって、誉め言葉じゃないよね。知らんけど。


<気になるフレーズ>

想いが届けば 

それから答えが欲しくなる

誰でも答えが欲しくなるし、感想も聞きたい。それは普通のことであって。「好き」と私が言ったらやはりあなたの思いも聞きたい。ありがとうとか、うなずきじゃなくって…好きっていう答えを。


しかし安室奈美恵、このとき19歳。大人すぎるというか悟っている、肝が据わってるな、芸能人のソレじゃないなと思っていたら母子家庭で苦労したんだな、だからある一種の雰囲気を醸しているのかと思いました。

そうそう、この曲は公園の散歩の話なのに突如として最後

地球は私にも 今日は優しい

っていきなり地球規模のデカい話になるからなんか、エコロジーっぽい変な感じになりますね。「内側を向いた世界の話から外側に向いた世界への“歌詞の転調”」らしいけれど。

詞として読めば、いきなりの展開はいいと思う。物語として読むから、変な感じがするのね。

物語として読んじゃう私にとって、やっぱりこの歌詞は、イミフのカテゴリーかもしれないな。歌詠みなんだから、詞として読めよって感じだけどね。

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雲よりも強い鮮度をある朝の安室奈美恵が持つてゐたこと

荻原裕幸『デジタル・ビスケット』永遠青天症 より




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