パレットクラブ日記 第3回・大塚いちお先生のオンライン講義
※パレットクラブスクール「イラストコース」(23期)の授業内容の備忘録です。過去の授業内容はこちら。
スクール3回目はコロナのご時世を反映してか、オンライン授業に変更になった。逗子から東京まで出かけなくていいのは良いけれど、ちょっと残念。
今回はイラストレーター・アートディレクターの大塚いちお先生にお話をいただく。大塚先生といえば、 NHK教育テレビ「みいつけた!」の可愛いイスやサボテンのキャラクターデザインをされているのが思い浮かぶ。他にはどんなお仕事をされているのだろうか。
授業では、先生が専門学校時代に描かれたイラストを皮切りに、これまで制作されてきた作品が次々に飛び出してきた。
キリンビール「8月のキリン」のパッケージデザイン、横浜ゴム「PRGR」のブランド広告、日本郵政グループのメッセージ広告、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』のタイトルとオープニングイラスト、川崎フロンターレのユニフォームデザイン、などなど。
全体としては、
・具象、抽象、キャラクターなどいろいろ描かれるが、共通の世界観がある
・グラフィックデザイン寄りのイラストが多い
・キャラクターデザインから絵本制作、ライブペイント、広告など、仕事の幅が広い
・文字も強みになっている(文字デザインもお好きだそうだ)
といった印象を受けた。
どうしたらこんなに大口のお仕事を、それもたくさん受注できるのだろう?と思うほどお仕事がバラエティに富んでおり、それぞれのボリュームも大きい。
お話を聞いていると、
・紙とペンだけでも個性は出せると考えて、イラストの方向転換をはかったこと
・コンペや個展への出品、作品集の出版を続けられてきたこと
・大勢のアートディレクターとの出会いを一つ一つ大切にされてきたこと
このあたりが、先生のキャリアのターニングポイントになってきたのではないかと感じられた。
最後に質問タイムを設けて下さったところ、受講生からの質問が止まらなかった。結局予定を30分オーバーしてしまうことになったが、先生が終始にこやかにお話されていたのが印象的だった。お人柄の良さも、きっとお仕事に繋がっているのだと思う。
私からも「自分のイラストの強み、自分らしさを見つけるために大切な考え方・した方が良いことは?」と質問をさせてもらった。
先生は、
「自分をなるべく客観視したとしても、すぐに個性は見つかるものではない。自分の好きなモチーフ・色味・線を探ること。絵以外にも、自分の世界(好きな言葉・雑貨・映画・洋服…)を掘り下げてつきつめていくと、ジャンルは違っても共通するものが見つかるのでは?」
と答えてくださった。
そうか、自分の好きなものは作品に現れる、と前回の北村人先生もおっしゃっていた! しばらくやっていなかったけど、「好きなものリスト」をイラストマップにして描いてみようか……。そんなことを考えた、第3回の授業だった。
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