見出し画像

パレットクラブ日記 第5回・黒田潔先生の課題「言葉から連想して描く」

※パレットクラブスクール「イラストコース」(23期)の授業内容の備忘録です。過去の授業内容はこちら

スクール第5回は、イラストレーターの黒田潔先生から出た課題を持参して、講評をいただく回だった。

事前に知らされていた課題は、言葉2つから連想する絵を描くというもの。1)モノクロ、2)2色使用、3)色数制限なし、の3点を持参することになっていた。うわー、ボリュームのある課題だ!! しかも言葉選びから始めなくてはならない。

どうしようかしばらく手を付けられずにいたが、1つは自分の好きな言葉を選ぼう、と思い「七転び八起き」に決定。もう1つは思いつかなかったので、ネットにあった「単語ガチャ」でランダムに出てきた言葉「心臓破り」を採用した。いろいろな線画を試してみたいと思い、今回は割り箸ペンとインクで線画を描き、デジタルで着彩することにした。

スクール当日

受講生がそれぞれ壁面に課題作品を貼り、先生を待つ。黒田先生らしき人は入室するなり、作品を1つ1つじっと見つめながら少しずつ前へ進む。一刻も無駄にしない方なのだな…という印象を持った。挨拶もそこそこに、先生はさっそく講評に入られた。無駄な時間はない、そんな気迫が伝わってくる。

先生の厳しさは講評にも表れていた。良いところは良い、良くないところは良くない、とはっきりと口にされる。課題が間に合わなかった受講生には、「時間がないときには、ないなりの解決策を講じなくてはいけない」とバッサリ。厳しいが、これが仕事であれば納期に間に合わないのは論外。ありがたい言葉だ。

作品講評

私の番がやってきた。私が提出したのは次の3点。

1)モノクロ課題

画像1

「七転び八起き」から連想したイラスト。朝稽古で弟弟子が兄弟子に何度も投げられまくって土まみれになっているところを描いた。

2)2色課題

画像2

「心臓破り」から連想したイラスト。長い階段を目の前にして、猫はどんなことを思うのだろうか?と考えて描いた。

3)多色課題

画像3

「七転び八起き」「心臓破り」の両方から連想する絵を描いた。仕事帰りに保育園に寄り、買い物もし、坂の上の家に向かって歩いていくも転んでしまう……そんな頑張るお父さんを描いた。

黒田先生からの講評のあらましは、次のようなものだった。

・説明を聞くとどんな絵かわかる。
・説明を聞かないとわからないので、伝えたい言葉をもっと伝わり易くするための工夫が必要。
・課題で描いて終わり、ではなくて、もっと良くするために描き加えたり、構図で工夫できることなどを考えてファイルしていってみると良い。階段は猫の目線から見るとどう見えるか、とか、背負われた赤ちゃんがお父さんにしがみついて身動きが取れない、とか。
・(ポートフォリオを見て)ふだん仕事で描いている絵とは違うようだが、頭の切り替えが必要かもしれない。

わー、厳しい! 良いところナシかぁ……。でもグサっとくることばかり。ということは、改善の余地がいっぱいあるってことだ。褒められている他の受講生が羨ましくはあるけど、言われたことはしっかり受けとめたい。

先生は他の受講生にも「自分が良いと思っても、他人から見て良いと思われるかはわからない。相手からの評価を総合して考えていくというやり方もある」「タッチを新しく見つける必要はないかもしれない」というような言葉をかけられていた。
パレットクラブに通うにあたって、私は自分にしかない強みを探る方向で作品作りをしているけれど、今の自分が持っている良さを生かすという視点も忘れないようにしないとな……と思った。

反省と描き直し

今回の課題では、なんとなく描いて終わり、になってしまっていたのは否めない。人のポーズをしっかり描くとか、背景をちゃんと描くといったことを気にかけているだけで、イラストレーションとしての完成度を高めるところにまで気が回らなかったのを、先生はしっかりお見通しだったと思う。
作品を劇的に改善する案は思いつかなかったけれど、手を加えたバージョンを掲載して、今回を締め括りたい。

1)モノクロ(「七転び八起き」)

画像4

稽古中であることがわかるように、背景に情報を追加した。転んだポーズではなく、立ち上がろうとするポーズを描くことで力士の不屈の精神を表したつもりだ。構図にはまだ工夫の余地がありそう。

2)2色「心臓破り」

画像5

猫が見上げる構図はやめ、ストレートに、人が坂道に立ち向かう様子を描いた。人物と山はあえて記号的に描くことで「人生」「行程」といったイメージにも結びつくようにしたつもり。でもはっきり言って、イメージが貧弱だ。もっと違う描き方もできるはずなので、これはちょっと脇に置いてとっておこうと思う。

3)多色「七転び八起き」「心臓破り」

画像6

背景はそのままで、坂道で転んだ上に子どもが泣き喚いてお父さんが難儀する、そんな様子に変えた(先生のアイデアそのままだ)。お父さんを気持ち大きくして中心にくるように描き、視線を見る人の方に向けたことで少し面白みは出たかな?と思う。

黒田先生から厳しいコメントをいただけたおかげで、絵を改めて見つめ直すチャンスが出来た。第2回の北村先生は「せっかくパレットに通うのだから、いろいろチャレンジして、どうせなら0点か100点のどちらかをとるぐらいが良い」とおっしゃっていた。今回は0点ってことで、それもまたヨシ。まだまだ迷走しそうな私の絵だけど、せっかくなので、これからもジタバタしてみよう!

いただいたサポートで、少し美味しいおやつを買おうと思います。明日への活力です。