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パレットクラブ日記 第4回・寺井剛敏先生の著作権講座

※パレットクラブスクール「イラストコース」(23期)の授業内容の備忘録です。過去の授業内容はこちら

早いもので、スクールも4回目。といっても、これまでがものすごく中身の濃い1ヶ月だったせいか、やっと4回目、という感じもしている。

第4回は、金沢美術工芸大学教授の寺井剛敏先生によるオンライン授業で、テーマは著作権だ。先生は元博報堂にお勤めの、数々の受賞歴もあるデザインのエキスパート。著作権にまつわるゴタゴタもたくさんご経験のことだろうと思う。

著作権。自分の作品を守るために知っておくべき知識と、他者の権利を侵害しないための知識、両方を学ぶ必要がある。先生も、イラストを仕事にするなら早めに知っておいた方がいいとのお考えで、スクール最初の月に講義を入れてくださっているのだという。勉強しなきゃと思いながらつい後回しになってしまっていたので、今ここで学べるのはありがたい。

第1部は基礎編。先生から一問一答形式で質問が投げられる。
・会社の業務で制作したキャラクター、イラストは制作者に著作権はあるのか?
・写真の構図を参考にしてイラストレーションをおこした場合、単にレイアウトや被写体の設定のみを参考にしたのであれば、写真の著作権の侵害とはならないか?
・小学生の描いた絵は、著作権の対象になるか?……などなど。

基礎編はだいぶわかっているつもりになっていたが、なかには知識の抜けがあってドッキリするような問題もあった。ネットで簡単にイラストの資料を探せてしまえる時代、著作権には気をつけても気をつけすぎることはないのかもしれない。

第2部は応用編。より具体的な内容の問題が投げかけられた。
・雑誌や書籍のレイアウトはそのまま真似してもいいか?
・「雪国」の一説を広告に使用してもいいか?
・「オリンピック」という言葉やマークを広告に使ってもいいか?
・許可を得ずに撮影した動物の写真を広告に使用してもいいか?(動物の顔が写っていない、後ろ姿の写真)……などなど。

イラストと広告は切っても切り離せない関係だ。広告に使ってもいいもの・よくないものがあることを教えていただけたのはありがたかった。

第3部は博報堂での事例の紹介。著作権侵害で訴えられ広告を取り下げた例、または取り下げなくても大丈夫だった例などを教えていただく。SNSの影響が大きい今の時代では、著作権の侵害に当たらなくても、似ている・パクリだと言われいったん炎上してしまうと、イメージダウンを避けるために広告を取り下げるケースなどもあるという。

炎上は事故のようなものなので、なかなか避ける術はないかもしれないが、自分の身を守るために、作品には日付を入れておく・参考資料をとっておくなど、普段から気をつけていく必要がありそうだ。

何かあった時にも、イラストレーターは個人で対応しなければならず、その立場は弱いと先生は言う。自衛のためにも、勉強を続けていかねば。背筋の伸びる心地のする授業だった。


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