お話会、点取ゲーム

 同年代や同じ結社の人たちばかりで、句会をしていると、言葉に対する感度がだんだんと鈍くなっていく。それは、類想句の増加や句の傾向の固定化の一因となっているように思う。さらに、いわゆる「馴れ合い」の状態がずっと続くと、句会がお話会になる(句会の参加者がこのことに気づいていないことが多い)。

 「句会は同じ結社の仲間内だけ、固定メンバーだけでするものではない」(もちろん結社の指導句会の意義も十分に認めた上で)と私は思っている。新陳代謝(会員の入れ替わり)のない句会は、年功序列がはびこり易くなり、句会が表現向上の場とはかけ離れていくからだ。上記のような理由で、私は、通信句会を含むすべての句会を、超結社(年齢・結社問わず。無所属可。勉強手段の掛け持ち可)というスタンスで運営している。

 また、多くの句会では、点が入った句しか講評されず、無点句はそのままになる傾向がある。句会が、大人数になればなるほど、問題点の指摘が不十分になっていく。点取ゲームに近くなっていく(定員や会則のない、「無料」のインターネット句会は、大半が点取ゲームになっているため、私はお勧めしていない)。

 「他者の意見から推敲のヒントを得ようとするの努力」、これが句会で一番大切なもので、投句者に求められるものである。だが、問題点の指摘が不十分な句会では、推敲のヒントが得られる機会は少ない。

サポートは、句会の勉強会で使っている本代などにあてたいです。 (二つの対面式句会と三つの通信句会を運営中)