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ネイルは自分の中の『女の子』を思い出させてくれた。

色々ときっかけやタイミングが重なり、何年かぶりにネイルサロンへ行った。話を聞いてみると、自分で剥がせるジェルネイル、というものがあるらしい。オフするために来店するのが面倒すぎて、だったらやらなくていいやとそもそもジェルネイルから遠ざかってたズボラな私にはピッタリすぎるなと思い、せっかくなのでやってもらうことにした。

ネイリストさんによって、どんどん私の爪が生まれ変わっていく。ピンクが塗られ、おしゃれな柄が描かれ、トップコートで艶のある仕上げになっていく。

「あぁ、いいなぁ」

ドキドキと、心がときめく音がする。そう。成人式のためにジェルネイルをしてもらったときの感覚を思い出した。あれは人生初のジェルネイルだった。びっくりするぐらい自分の心がときめいたのだ。あのときの感覚が瞬く間に蘇る。いつかまたやりたい、と思っていた、私にとっての秘密の宝箱のようなもの。それに、再び自分が巡り合えたことに、触れられたことに、私は喜びと幸せを覚えた。

出来上がってからというもの、私は自分の手を、指を、爪を、つい見てしまう。きれいだなぁ、かわいいなぁって。普段、引き出しの奥にしまっている『女の子』の感性が呼び戻されて、その感性が優しく艶めき、ゆっくりと満たされて、美しく潤っていく。全然やってなかったけど、こういう女の子らしいこと、私ってば、こんなに好きだったんだ。思い出した。

このネイルを外したあとも、忘れないであげていたい。ネイルって、こんなに私の心が喜ぶんだよってこと。私の心を満たしてくれるのは、小説やマンガ、アニメだけじゃないってことを。実は私って、ネイルが大好きなんだよってことを。

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