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舞いあがれ航空学校編〜桑原さんバージョン(妄想)

NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』が第8週に入ってから脚本家が替わった。

月曜日のオープニングタイトルを見たときに「あ、桑原亮子さんじゃないな」と気がついたものの、まさかここまで別物になるとは思わず、正直ビックリしている。

脚本はもちろんドラマの骨格となる大切な部分だが、朝ドラともなれば大勢のスタッフが関わっており、チーフプロデューサーもいる。
スタッフ達が世界観を共有していれば、そこまで違和感を覚えるようなことにはならないと思う。

現に、演出家は週によって替わる。
今回は演出家も話題になったが、第8週の野田雄介さんは第2週も担当している。
第2週といえば、舞ちゃんの自立の過程をきめ細やかなエピソードで描いた週であり、今も心に残る「ばんばの釣り船遅延事件」や「一太くんとばらもん凧揚げたイベント」があった週である。

それなのに、航空学校編に入ってからの、まるで別物のようなドラマ進行には驚くばかりである。

キャラがブレているとか、話の展開がご都合主義というばかりでなく、演じている俳優だけが同じな別のドラマのようである。

あまりの惨状に桑原脚本の航空学校編を妄想してみた。
Twitterでつぶやいたら、割といろんな方にいいねしていただけたので、皆さん思いは同じなんだな…と思っている。

来週から桑原さんが戻ってくるので、それまで頑張ろうね!

⭐︎柏木学生の設定

柏木のサラブレッド設定はそのままでいいけど、とにかく「優秀なエリート」が描けていないことに辟易してる。

優秀な人って、明らかに自分が損になるようなことはしないでしょ。
寮生活の少人数カリキュラムの中で、あんな風に他人を拒絶するような態度を取ったら、自分に損だとわかってるはず。

普段はソツなく上手く立ち回るけど、どこか能力主義で冷たい。そういうエリートの側面を描いてほしいの。頼む。

だから、柏木は同期とは必要な時に必要なコミュニケーションだけ取り、雑談などには一切加わらない。
そういうキャラの方がリアルだと思う。

根はおせっかいな大阪のオバチャンの舞に「なんでいつもそんな風なんですか?」と聞かれ「俺たちは遊びに来てるんじゃないんだ」とさらりと返す。

「必要な会話はしてる。チームワークも問題ない」と言う柏木。

しかし、柏木のどこか淋しそうな目が気になり、舞はクリスマスのお好み焼きパーティに誘う。

お好み焼きパーティの後「よかった。柏木さん来てくれて」とホッとしたように言う舞。

いつもより優しい表情の柏木が、照れ隠しもあって「なんで俺を誘ったんだ」とぶっきらぼうに聞く。
柏木を見上げる舞は「なんや、いつも淋しそうにしてはるなあ思って」と答える。

(ここで王道の胸キュンシーンですよ💘)


⭐︎水島学生はなぜフェイルになったのか

明らかに掘り下げ不足で、視聴者を置いてきぼりにした水島のキャラ。

有名スーパーの御曹司である水島。明るくていい奴だが、お坊ちゃんのせいか挫折知らずで打たれ弱い。

両親もそのことはよくわかっていて、ウチの子が寮生活で厳しい訓練とか耐えられないだろうなあ…と思っている。
思っているけど、もちろん息子なので(表向きは怒っている父親も)全力で応援している。

サンダー大河内の班に当たった水島は、必要なこと以外は何も言わない大河内が苦手で、へこむこともしばしば。
他の教官はイマドキ学生を上手く励ましながら指導しているのに…。

大河内と合わない水島は、訓練でも心を閉ざしがちになる。
談話室での勉強会にも顔を見せなくなる。

予想通り、プリソロチェックでも、無線を聞き逃す大失態をしてしまう。再試も不合格。

他の教官から、隣に大河内が乗っているから緊張するのでは、再度チャンスを与えてはという意見も出るが「私ごときで緊張する人間が乗客の命を預かれるか」と大河内。

(水島の適性がないっていうのは結局そういうことだと思うのよ。あと大河内の「厳しさ」もここでしっかり見せたい)

水島と同じグループの舞と柏木は、大河内の厳しい判断に衝撃を受ける。

それでも聞かれない限り、一切よけいなことは言わない大河内。
舞は「冷たすぎるんちゃいますか」と感情的になるが、柏木は複雑な表情。

水島のフェイルに涙を浮かべる舞に、柏木は、

「俺は言い訳しない大河内教官も辛いと思う。でも、空の上では一切言い訳ができないものだから」

と彼なりの考えを述べる。

「水島も教官と合わなくて、苦しかったのかもしれないけど、言い訳できないのがパイロットという職業なんだ」

航空学校を去る水島を、校舎の窓から見送る大河内の後ろ姿は泣いていた…。

(柏木も優秀なんだから、当然大河内と同種の厳しさを持っているはず。こういうところをしっかり描かないから、ただのお花畑野郎だと思われちゃうのよね)

⭐︎矢野学生のフェミ描写

同期の中で女性は舞と矢野倫子の2人だけという設定は変わらず。

帰国子女で商社に就職したものの、男尊女卑な日本の企業に嫌気がさしてパイロットを目指した倫子は「男には負けたくない」が口癖。
「皆で頑張ればええやないですか」と言う舞に「社会に出たことのないお嬢ちゃんにはわからないのよ」と言い放つ。

舞が周囲を気遣ってアレコレ世話を焼くのを冷ややかに見ている倫子は言う。

「パイロットは男社会なのよ」

舞が「皆、優しゅうしてくれる。女だからってだけで意地悪なこと言う人は誰もおらへん」と反論すると、倫子は「優しくされるってことは半人前扱いってことと同じなのよ」とズバリ。

(倫子さんの悔しさっていうのは、結局こういうことだよね。そのために中澤学生の離婚話なんか持ってくる必要はない。むしろ倫子さんみたいなバリキャリタイプは、専業主婦は自立心がないぐらいのことは思ってるはず)

⭐︎ 醍醐虎汰朗の演技がもったいないよ!吉田学生

母子家庭の吉田の金沢出身を根室出身に変えたい。

子供の時に初めて中標津空港から飛行機に乗り、その自由さと雄大さに憧れてパイロットを目指す。

父は吉田が小さい頃、水産工場の事故に巻き込まれて亡くなっている。
エリートばかりの航空学校では異色のキャラ。
雑用も嫌がらず、粘り強く努力する。

努力家で苦労人の吉田は損な役回りを引き受けることが多い。
それに気づいた舞はよく吉田のことを手伝う。
お互いの父親が工場勤めという共通点もあり、2人きりになる機会も多く、自然と舞に好意を抱く吉田。

だが、吉田は劣等感を持つ者特有の敏感さで、舞が皆に優しいことも、柏木が舞に惹かれていることも気づいている…。

(航空大学校に入る人たちはみんな優秀だし、恵まれた環境で育った人が多いと思うのね。その中で、苦労人の吉田は良いアクセントになる。だが本編では残念ながら上手く活かし切れていなかった。醍醐虎汰朗の演技ももったいなかったなあ)

⭐︎恋愛描写はまだここまで

就活の時期になり、国内外の航空会社を受験する舞達。
男性に比べ女性は不利だと思い知らされることが多く、倫子は「男には負けたくない!」と悔しがる。
そこで初めて現実の厳しさを知る舞。

柏木の就活は順調で、舞を励ますつもりで「努力しろよ」と言う。
それを聞いた吉田はいきなり柏木に殴りかかる。

「お前は岩倉さんの気持ちを考えたことがあるのか!」

吉田は舞も柏木と一緒に空を飛びたいと思っていることに気づいて、舞の気持ちを代弁したのだった…。

(ここは吉田の見せ場だよねえ)

柏木の言い方に問題はあったかもしれないけど、殴るほどか?と不思議がる同期達。
舞も訳が分からない。

ただ、柏木だけが何かに気づいたような表情。

冷静になった吉田は、後で「ゴメン」と柏木に謝り「岩倉さんを泣かせたら許さない」と柏木の背中を押す。

(同じ女性を好きな者同士ピンと来て、柏木が初めて自分の気持ちを自覚するのがミソね)

⭐︎ばんばは俺たちの道標

水島フェイルの時に、ぜひばんばにも重要な役割を担ってほしい。

ばんばに電話して「失敗しても次に頑張ればいいって、次にやり直せばいいって、ばんばもそう言ってたよね!」と泣いて訴える舞。

「舞ィ、生きてれば取り返しのつかんこともある。人間は潮の流れには逆らえん。潮に逆らって船ば出しても進まんと」

ばんばから教わった大事な人生訓が揺らいで泣く舞に、ばんばは言う。

「でもな、舞。必ず潮目は変わる。だから、それまで待つとよ。その人も、今は流れが来とらんかもしれんけど、長い人生、きっと潮の流れが味方する時が来る。そう信じるたい」

(ばんばならきっとこう言うよねえ。来週それっぽいシーンがあるみたいだけど)

⭐︎中澤学生はこう描く

再チャレンジ組の中澤だが、私が仕事で携わる医学部受験でも、妻子がいながら医学部を再受験する人は結構いる。

そもそも再受験するまでにちゃんと夫婦で話し合っている。
医師もパイロットもなってしまえば、高収入が約束されてるしね。
だからこそ、妻も今は我慢しても応援してくれるのだ。
何しろ生活がかかっているのだから。

そういう再受験生はお兄さん的な役回りで、学生気分が抜けない同期の中で落ち着いた雰囲気を醸し出している。

そしてもちろん不安もあり、試験の前にはこっそりプレッシャーに震えてる…みたいな描写がアクセントになるかと。

今日の放送で貴司くんだけが、以前の舞いあがれの空気を醸し出していたなあ。
来週からまた楽しみにしてます!

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