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東京エレベーターガールの話

1992年1月〜3月期にTBSで放映されたドラマ。
当時、舞台となった多摩そごうの近くの大学に通っていたので、ロケ地である多摩センターや京王堀之内は通学路の途中にあった。

確か放映中に、大学の友人とガラガラの多摩そごうで、トンカツを食べた記憶がある。
天下の宮沢りえ様が、ここでロケしてるんだねえ、と笑いながら。

主演の宮沢りえは、この年の11月に貴花田との婚約を発表。
年明けに婚約破棄会見をしている。
写真集『Santa Fe』の発売はこの前年だ。

そんな輝くばかりに美しい十代の宮沢りえが出演しているこのドラマ。
広報部のエース(東幹久)、妻子持ちの三十男(赤井英和)、小豆島の幼なじみ(宮下直久)など、彼女の虜になった男性達が、軒並み人生を狂わされていくのも当然の美しさである。

実際に、東幹久は何年か前のテレビで「色気がすごい女優さん」に宮沢りえの名前を挙げているし、赤井英和も自分の娘に、このドラマの宮沢りえの役名である「つかさ」と名づけている。

現実の男性達も人生を狂わされているわけであるw

とにかくこのドラマに出ている宮沢りえは、ピュアで、可憐で、透き通るようで、画面からもキラキラ感が溢れ出ている。
こんな宝石みたいな女の子に「私、吉本さんのことが好き…!」なんて真っ直ぐに言われたら、そらもうあきまへんわ。
(しかし大阪出身だから吉本というのは、安易すぎるのではw)

自分も年を取った今となっては、大阪に妻子を残して単身赴任している赤井英和の気持ちが痛いほどよくわかる。
生活のために一生懸命働いて、頭下げて、家族を養ってる三十男にとって、宮沢りえみたいな可愛らしい女の子が自分を好きだと言ってくれたら、どう頑張っても抗えるわけないじゃないの。
不倫とかなんとか以前に、彼女の存在自体がほとんど奇跡なのだから、自分とは別世界の人間だとわかっていても、そこに奇跡があれば手に取らずにはいられない。

もっとも、このドラマは手に取る寸前で終わるようにできている。

冬彦さんでブレイクする前の佐野史郎が出ていたり、要所要所で芸達者な俳優がキャスティングされ、このおとぎ話のようなドラマを引き締めている。
そう、これは現代のおとぎ話。
中年男の見た一瞬の夢。

儚いなあ。

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