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お肉屋さんでチャーシューを買った話

2020.9.5
近所にお肉屋さんがあるんです。
路面にケースが並んでいて、
お肉が並んでいて、
ドアがないのでしれっと見られるお店。
いつも通る道にある。
おやすくておいしくておっちゃんがちょこっといつも端数をおまけしてくれて嬉しいので、豚肉はだいたいそこで買います。
(牛は…まだ手が届かない…)

そいで、そこはチャーシューを炊くんです。
チャーシューを炊いて、粗熱をとるのに、
簡易テーブルをお外において、
つやつやの黒光りのおいしそーーーうなバラ肉チャーシューを冷ましながら、通り一帯をおいしーーーい匂いで満たしている。
いつもいつも、うへー、いいなあ畜生め〜と横目で見ながらいつもどおりのお安いお肉をおっちゃんに頼むんですが。
こないだついに買ってしまいました。

基本的にはおっちゃんばっかりなんですが、
スタッフさんのうちに同年代の人懐こい笑顔の男前がいて、なんつうか犬タイプの接客をする方で、まあ同年代、お肉屋さんで買い物するの、たぶん珍しいのもあって覚えてくださっているようで。

もう、着く前からこれチャーシューの日だな、って、こわいなこわいな〜、ってテクテク歩いて向かっていて、あ〜やっぱり光り輝いているな〜畜生め〜と思ったらたまたまチャーシューのそばにいた男前がいい笑顔でこんにちは!!とかいうもんだからつい、これってどうやって買うんですか??などと聞いてしまったのです。

いや男前だからとかでなく。
たしかに一因ではありますけどもね。
肉屋のおっちゃんは基本的にそういう、積極性のある接客をしないんですよね。
だから安いのばっかり買ってるけど罪悪感が最小限でしょっちゅう行ける、ってのもありましてですね。
そう、そいでそしたら男前がね、切り売りらしてなくて、一本で買ってもらうかんじで、これが一番ちっちゃいけど油が強そうだから、これなんてどうですかねえ、一回はかってみますか?味は全部美味しいんで脂身と大きさのお好みですね、とさらさら畳み掛けてくるのでね、じゃあこれくださいな、と言ってしまいました。

いつもgあたり100円代のお肉ばかり買っているのに、g/330円のをいったから、いつものおっちゃんがちょっと驚いていました。
ほいでいつものお肉も一緒に買ったんです、200g。
そしたらおっちゃんがいつもどおりはかりにのせて、あれ、表示は230g。

お?と思っておっちゃんをみたら、いつも笑わないおっちゃんなんですけど、そのいつもの顔で、増量!!って声張って一言言ってくれて、そのまま包んで、ほいでいつも端数のおまけは一円単位なんですけど、その日は十円単位でおまけしてくれて、お釣りを返してくれて、なんつうか、もう、ほんとにいい買い物でした。
憧れのお肉も買えて、おっちゃんもあれたぶん喜んでくれて、今日食べるんですけど絶対おいしくて、いつも通る道のあのお肉屋さんを見るたびにこの嬉しい気持ちがやってくるのだ、と思うともうほんとにいいですよね。
へへへ。

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