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会員は来ないが人は来る

有料の会員制でお店とかサークルをやっている人は、きっと沢山いますよね。みなさん何をもってして良しとしていますか?私は何が正解なのか、ずっとよくわからずにいます。

今回はその辺のことを書きたいと思います。

スズメベースのこれまでは
おおよそ4期に分かれます。

スズメベースに移転してきて、もうじき丸4年になりますが、その間の状況を大雑把にいえば4期にわかれます。

〈1期〉1年間
本を完全無料で地域図書館的に貸出していた期間。

〈2期〉2年間
みんなの趣味部屋として、有料会員制で使っていた期間。(商売はリフレクソロジー以外はなし)

〈3期〉半年
小休止。細々と開けていた期間。

〈4期〉半年…現在
棚、箱、施術席、BOOKSメンバーで、秘密基地のようにみんなでスズメベースを使う。(商売もok)


1期の時のこと
私は1人で週6日開けていて、会員が200人以上いたので、毎日いっぱい人が来て、本当に忙しかったです。完全無料だから、家賃やかかる経費を自分で出して、みなさんを接待して、本を貸していた、1番crazyな時期です。

2期の時のこと
有料会員制。とはいえ、会費は月2000円で、会員が20人前後くらい。1人で週6日開けるのはさすがに疲れたので、週5日開けていたかな。

開いている時はいつ来てもいいし、何回来てもいい。本やボードゲームが借りて帰れるし、書斎やコワーキングスペースとしても使い放題。文具や機器類も使い放題。もちろん電源とwifiは完備。

で、月2000円。

そんな好条件だったのに、コアなメンバーばかりだったけど、週5日開けていてもみんな月に1回か2回しか来ませんでした…。だから途中から週4日に減らしました。それでもなんら変わらない。とにかく週3日はほぼ待ちぼうけで、週1日がまぁまぁな感じ…という状態。

でも会員じゃない人は次々に来るんです。でもその人たち、キツい言い方をすれば1円にもならない訳です。毎月資金が潤沢ならば、それでも「ようこそ!」と思えるかもしれない。でも有料会員制にしてからも、家賃や出費にお金が足りないから、結局自分で家計をチョロまかしてお金を出して、場所を借りている状態だったので、どうしてもピリピリしてくるんです。

何しろ好条件なのに会費は月2000円、私は何万円も出して場所を維持している。家賃など出費の足しになる会員さんたちに良くするのが、私の精神の限界線だった気がします。でも実際はただ訪ねてくる人にも、ちゃんと分け隔てなく対応していました。

会員制なんだから、開室日時を会員がより集まれる日にすればいいんじゃないかと思ったけれど、去年の3月末までやっていた会の時は、反対意見の人が「いつも開いていて欲しい。」とか「開いているところに、行けたら行きたい!」と言うので、2年間はいろいろ工夫したりして頑張りました。でも週4日いてもほとんど会員は来ないし、会費未納の人も結構いて、正直にいえば、バカバカしくなったので会を解散することにしました。

3期のこと
とにかく完全無料の1期で疲れ、2期で疲弊して、私はボロボロになりました。と思ったら、家族も体調不良で、通勤しやすい場所に引っ越すことにしました。

5人家族で20年住んだ場所からの引っ越し、私以外は働いているし、体調不良の人を抱えての引っ越しはかなり大変でした。物件探し、引越準備、引越、片付け、引越による負傷…しかも物件探しの前に、一家で新型コロナに罹患したので、数ヶ月間スズメベースにはほとんど行けませんでした。

とにかく身も心もボロボロで、スズメベースがある三鷹から離れられたこと、引越でとにかく忙しかったことは救いではありました。そんな状態だったので、スズメベースはほぼやめるつもりでいました。

ただ、誰も知っている人がいない場所に引っ越して、スズメベースのようなところがそばにあったらいいのに!と思った時があって、やっぱりスズメベースはやっていたいと思いはじめました。

そして現在、4期です。
恐れていたことが起きつつあります。

思いはじめたものの、疲弊があまりに酷すぎたことと、スズメベースと自宅との距離が離れたことは、かなり再始動=4期のスタートのネックとなりました。

とにかく重度の疲弊は本当によくない。なかなか自分ではどうにもなりません。最初はうつなのかもしれないと思いましたが、スズメベース以外のことは、以前よりは元気じゃなくても、一応やる気もあるので、うつではないんだと思いました。

段々と首が絞まると、絞まっている状態がわからない。そんな感じかもしれません。スズメベースの1期と2期をやっているうちに、尺度や考え方が自分でもよくわからなくなったみたいです。今の私からすれば「何であんなことしていたんだろう?!」と思うことも、当時の私は「仕方ないんだ…。」としか思っていなかった。みんななんて横暴なこと言うんだ!!と、今ならば思いますけどね。

そんな2期を経験して、おそらく私にはトラウマというか、恐怖症が残っている気がします。「人が来ない」という恐怖と「出費」という恐怖です。たぶん店や居場所などをやっている人には、よっぽどの人以外にはありがちな心情だとは思いますが、妙に恐怖を感じている気がします。

まぁ正しくいえば「人が来ない恐怖」ではなくて、「会員が来なくて、他の人が来る恐怖」です。

今は以前よりいいはずなのに~
とは、自分でも思ってるけど。

私は今、週に1回しかスズメベースに行っていないけれど、片道1時間かけて行っています。行くからにはメンバーと交流したり、本の話をしたいけれど、メンバーが来ないんです。メンバーはたったの15人なので、来られる人がかなり限られるのはわかっています。でもそれならば、私がスズメベースに行く意味は何なのかな?と、思うんです。何ともいえない気持ちになります。

4期をスタートしてしばらくは、メンバーの募集や説明や面談、場所は同じでも家具の配置を変えたり、やり方を変えたのでとにかくバタバタしていて紛れていましたが、それが落ち着いてきたら、私が行く頻度が減っただけで、結局2期の時と同じような気配が忍び寄ってきました。

全体を見れば、2期と4期には大きな差はあります。スズメベースのメインメンバーを募集したことです。スズメベースのことを他人事じゃなく、真剣に考える人が私以外にもできました。そして、私だけが必死にスズメベースを開けるのではなくて、他のメインメンバーも1人ででも開けてくれます。

それはスズメベースにとっても私にとっても、とてもいい方向でしかない状態ですが、とにかく2期の疲弊とトラウマみたいなもので、週1日だけでも辛くなってきてしまいました。

何を良しとするかは
人それぞれだとは思うけど…。

そもそも有料の会員制というのは会費を徴収しているので、考え方によっては、会員が来なくたってお金が集まればいい!いや、来なくてラッキー!!と思う人がいないともいえない。いわゆる「亭主元気で留守がいい」状態。(懐かしい)

ただ私の場合、ビジネスでスズメベースをやっている訳じゃないから、どうしてもそうは思えない。楽しい場所になったらいいな!と思っているのに、メンバーは来なくて、メンバーじゃない人が来て、悩みを語って帰る…。少なくとも私にとっては楽しい場所ではない。そしてメンバーにとってもどうなのかな。

別に悩みは話せばいいけど、悩み話ばかりだと楽しくはないし、その人たちはスズメベースの維持に貢献している訳でもない。1時間かけて行ったのに、誰も来なくて、1時間かけて帰ることよりはましかもしれないけど、次々と悩み話の人が来るだけならば、スズメベースにいたくはない。

そもそも私は物販などをしていないし、誰かと一緒に居場所活動をしているとかではないので、スズメベースにいることには楽しさ以外求めるものがない。…ということに、最近気づきました。

居場所に求めるものも、楽しさも、人それぞれなんだとは思うけど。

最後に…。

結局のところ、無料で引き受けてしまう自分、悩みを話すムード(?)を作ってしまう自分が、こういう状態にしてしまうんでしょうね。

どうしたらタダ働きから抜け出せるのか、どうしたら楽しい場になるのか…。それが私の課題です。暗い場には暗いのが集まる…というのもあるし、私が暗いということなのかな?

とにかく登校拒否みたいな状態が続いています。唯一、月に1度のスズメdayだけは楽しい。自分が借りてる場所なのになぁ…。

今、スズメベースの店番をしている人は、私以外は物販や、対人サービス業の人で、スズメベースにいることにしっかりとした意味がある人たちです。その営業上、いる曜日や時間は決めた方が、お客様をgetしやすい。

一方、私はというと、スズメベースで商売している訳じゃないし、外部向けの居場所活動もしている訳じゃなくなってしまったし、同じ曜日の同じ時間に、無理にいる必要がないんじゃないかと思っています。

4月からは用事がある時や、行こうと思った時に行こうかな~と思っています。

何かを売りたい人、対人サービスしたい人、施術したい人、ギャラリーのように使いたい人は、ビジネスでやっていない分、スズメベースはたぶんお得です。仲間にならないとできないから、反ビジネスライクですけどね。

Booksメンバーも40人くらいはいなければ、閑散としたムードなのかもしれませんね。

東京三鷹生まれの三鷹育ち。自分の居場所を求めて富良野、京都、東京多摩地区を転々としたのち三鷹に戻り、以降ずっと三鷹に在住。2016年2月、本好きと、長く続いた居場所探しの経験を活かし、地元でゆるい感覚のまちライブラリーをスタート。ひっそり人好き。地域クリエイター。