マル冒任侠仁義旅
「おんどれ!!どこのギルドのモンに断って商売しとるんじゃ!?」
木の盾と短剣(ドス)で武装した三下冒険者が男を睨む。そんな声はお構いなしに、冒険者らしき男はゴブリン退治の報酬を受け取る。
「オイ兄ちゃん、ここいらはワイら”馬の背骨組”のシマやで。冒険者やるんやったら、きっちり話し通してもらわんとなあ」
三下冒険者が俺に顔を近づけて睨む。だが、男は無視だ。
「……黙っとらんでなんか言わんかい!」
しびれを切らした三下冒険者は盾どつき(シールドバッシュ)を繰り出す!だが、
「ぐわぁっ!」
悲鳴を上げたのは三下冒険者の方だ。男は三下冒険者の攻撃を受け流し、見事なカウンターを決めていた。
「先に手を上げたのはそっちだ」
「な、何だてめぇは!!」
三下冒険者はよろよろと立ち上がり、かろうじて見栄を張る。
「刑殺だ」
男は淡々と答えた。
「サ、サツだとぉ!?」
【続く】
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