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検証: 『サーモンおいしい』はおいしいのか?【#現代4コマ】


Q. サーモンは、おいしいのか?



Q. サーモンはおいしカロライナ州なのか?



我々は今、考えなければならない。



1.『サーモンおいしい』を思い付いた経緯

①言語学的な視点(筆記体に至るまで)

コマ4表現短歌との融合



ざく切り4コマなど言語学的な視点で現代4コマを探究していく中で



筆記体を用いる技法を思い付いたのだと推測できる。【筆記体+単色の長方形4つ】の形である。



筆記体を用いた作品群は以下のnoteにまとめられている。



筆記体を用いた作品と言えば、マグリットの『イメージの裏切り』を連想するが、作者本人は直接影響を受けたというよりかは親和性があるという認識なようだ。

ルネ・マグリット《イメージの裏切り》 (1929年)





これに関して本人の4コマも投稿されている。



②鮮やかな色と長方形

トウソクジン氏と言えば文のイメージが強いが、大胆でカラフルな色の使い手でもある。

例えば、先程も紹介した4コマ詩は白背景と黒文字に対して赤色を入れている。


また、印象派シリーズもカラフルである。



『サーモンおいしい』はサーモンピンクよりも濃いピンクである。


←サーモンおいしい     サーモンピンク→



トウソクジン氏の現代4コマ初期作は、コマそのものに着目した作品が多い。



そして、トウソクジン氏はコマを正方形ではなく、長方形として捉えているように思う。



筆記体シリーズの断片のような作品も作られていた。



2. 『サーモンおいしい』が有名になった理由

①現代4コマオールスター展でのエピソードの強さ

『サーモンおいしい』は2023年の12月に投稿された作品にも関わらず、現代4コマオールスター展において再注目・再評価された珍しい作品である。



トウソクジン氏が人生氏と共に現代4コマオールスター展の会場の下見に行った際に、トウソクジン氏が『サーモンおいしい』を展示したいと熱く語ったというエピソードが話題になった。



また、同時に出展する作品の系統とは明らかに異質であるのにも関わらず『サーモンおいしい』に執着しているトウソクジン氏に注目が集まった。



そして、展示するにあたり『サーモンおいしい』をリメイクして『真・サーモンおいしい』が作られた。



キャンパスアート化もされ、無事買われた。



②オマージュのしやすさから派生作品の出現

『サーモンおいしい』は【白背景+筆記体+長方形4つ】というシンプルでキャッチーな構図である。

そのため、オマージュ作品が作られ、徐々に知名度を獲得した。





サーモンの状態に注目



ケーキ



アラヤマ氏Ver.の『サーモンおいしい』
こちらはサーモンって感じがする


トウソクジン氏『サーモンおいしい』との比較

←サーモンおいしい(ト)  サーモンおいしい(ア)→


もはやマグロとサーモンにしか見えない。

Unicode 1F363


本人も「あり得ない色してる」ことは認めているようだ。



否定



たのしい



文字





追加



3. 『サーモンおいしい』の魅力

①色

ピンクでも、サーモンピンクでも、マグロでも、サーモンでもない唯一無二の色使い

②構図

【白背景+単色長方形4つ+筆記体の文字】はシンプルでわかりやすい

③形と数

サーモンをなぜ斜めにしたのか説明されていない
サーモンの刺身が長方形なわけがない
サーモンを食べるときは1つずつなはずなのに4つ同時に描かれている

④タイトル

筆記体の文字での説明も「サーモン」なので、タイトルは『サーモン』とするのが普通であるが、『サーモンおいしい』とつけられている



Q. 『サーモンおいしい』はおいしいのか?

『サーモンおいしい』がおいしいかどうかは、『サーモンおいしい』を食べないとわからず、『サーモンおいしい』はデジタルな作品であることから、わからないというのが結論である。



A. わからない





Q. 『サーモン』はおいしいのか?





まぐろ、おいしかろ?



おいしい、ただしこれは、
おいしカロライナ州ではない。




焼きサーモン、おいしかろ?



おいしい、というよりおしい。
これはおしいカロライナ州である。





遠くから、声がする。





声は、段々強くなる。





声が、僕の中で反響する。


























A. 『サーモン』は、おいしい。




A. 『サーモン』はおいしカロライナ州である。

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