見出し画像

遠州地方のお盆

静岡県西部といっても浜松、磐田、袋井、掛川あたりまででしょうか、盆供養に対しての熱量が驚くほど高いです。

7月の新盆(しんぼん)、8月の旧盆(きゅうぼん)、どちらで盆供養をするのかも地域それぞれです。

私の実家は、新盆の7月に御先祖様等をお迎えする為、13日の夕方頃に迎え火を焚き、15日の夕方頃に送り火を焚きます。そして、お盆期間中に白玉団子をお供えすることにしています。

ところが今年は友人Aのお母様の初盆ということもあり、お参りに伺って、立派な盆飾りと一緒に色々と見慣れない品が、、、

茄子と胡瓜を牛と馬に見立て飾るのも知っていましたが、友人A曰く餌(笑)、食事が準備されていたこととか位牌の前に供養膳が置かれていたこと等、産まれも育ちも遠州地方の私ですら知らない事が!

帰宅して、実家の家族に内容を報告すると、宗派によるらしいという事が分かってきました。
我が実家は、とても簡素なしきたり。他の宗派は、供養膳の配置の仕方が違ったり、お供えするもの等も違うんだとか。

なーんだ我が実家はそれで良かったのねーと思った反面、嫁ぎ先のしきたりを知らない。
一応、長男の嫁。
これは不味い。

ところが関西人の夫の家では、盆供養に特別な事をしないようで、とても遠州地方の風習を不思議がられてしまいました。

所変わればですね。

私は、どうやら盆供養が熱い家に嫁いだ訳ではなさそうなので内心安堵しましたが、遠州地方にお嫁入りされる方は大変かもしれません。

まだまだ女性が法要の準備段取りをして、当日は、男性が訳知り顔で弔問客をもてなし、女性はすんとして裏方に徹するという風習が根強いです。

遠州大念仏をよぶ家は、それはそれは大変。
観るのは、とても感動するパフォーマンスなので、観られた事がない方には一度は観ていただきたい踊りなのですが、お支度やおもてなしが人数も多いのでとても大変なのです。

我が実家も上記で語ったように簡素なしきたりの宗派で、遠州大念仏までよぶまでもない家だったのですが、半世紀前に私のひいおじいちゃんの初盆に喪主のひいおばあちゃんではなく、親戚が勝手によんだそうで、その後のひいおばあちゃんの遺言が私の時は遠州大念仏をよばない事だったというのは、語り継がれる笑い話です。
それだけ準備する側は、大変だったという話ですが、遠州地方、お祭りも熱いので、そういう準備が苦ではなく、当たり前に浸透しているという事があるのかもしれません。

家の裏に地の神様を祀るのも遠州地方だけだと聞きます。
地の神様とは、先祖供養のひとつだそうです。
私も宮司さんからたまたま伺って知りました。
地の神様は、神様は神様でも御先祖様だったとは!全く知りませんでした。
こういう風習も相まって盆供養の熱も高いのだと思います。

当たり前に行っている風習は、地域や宗教でもそれぞれ違いますが、どれも今生きている事に感謝したり、家内安全、子孫繁栄を願う気持ちは変わらないものです。
それぞれの風習や慣習を認め、やるやらないは自由。ただそれをやって心地よいかだけです。
私は、自分がこれまでやってきた風習や慣習もやりたいからやっています。
今時、盆供と表書がある封筒にお金を包んで、初盆に回るのは年配の方だけなのかもしれませんが、私は、行きたいから今年も行きます笑

お盆休みのイメージで8月の連休を連想される方もいるかもしれませんが、人知れず7月と8月の13日から15日まで盆供養が熱い地域があるという事を私も知らなかった知識の一欠片と一緒にお伝えしてみました。


遠州大念仏は、一見の価値ありです!


お気持ちで構いませんのでサポートよろしくお願いします!いただいたサポートで新たな記事の何か、、、を探させていただきます(^^)