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穂村すずめ
2020年11月15日 20:39
肌寒くなってきた頃、いつもと同じように深山古書店で読書を楽しんでいた凛太郎に一本木は旅行は好きかと訊ねる。一本木の発言の意図が掴めず困惑する凛太郎に、一緒にどこかへ行きたいと伝え――。「凛太郎、旅行は好きか?」「旅行? ボク、インドア派なんであんまりいきませんけど……」 どうしてそんなこと聞くんですか、と凛太郎はわざとらしいほど首を傾げる。予想していた通りの反応ではあったが、質問の答えには