見出し画像

(覚え)武漢・イタリアと日本を分けるもの:3月22日現在

*写真は喫茶マドラグ(京都)の「コロナのたまごサンド」。本文とは関係ありません。


日本の現状、今後とるべき対策については、先日の専門家委員会の提言で概ね理解できてる感はあります。

…分かるんだけど、モヤモヤしちゃうのは、


「なんで、武漢やイタリアでは医療崩壊が起きて、日本では起きてないの?」

「欧米がロックアウト等、かなり厳しい対策を、急速に(ほとんど準備期間なしに)実施したのに、日本ではそこまでの切迫感がないの?」


この「現状」(特に死者数の増)を見れば、結果としては「納得」なんですが、そのベースにある根拠が知りたい。

画像1

「陰謀論」めいたもんじゃなくてね。


感覚的には「医療資源の差なんだろ〜な〜」と漠然と思ってたんですが、後進国はともかく、先進国間でそんなに差があるもんかいな…とも思ってたんですよ。


そこで読んだ日経記事。

<そもそも欧州では病床が少ない国が目立つ。経済協力開発機構(OECD)によると、人口1000人あたりの病床数はイタリアは3.2、スペインは3.0、英国は2.5となっている。日本は13.1と加盟国で最も多い。欧州では多少の風邪であれば病院に行かないケースも多い。>


え?そんなに違うの?


で、ネットで拾ってきたのが、この資料。

画像2


病床数の比較はこんな感じです。

画像3

確かに欧米諸国と日本との格差は相当(3倍から4倍)です。

韓国も日本に近いですけど、2000年から2017年に大きく伸ばしてるのは、SARSの影響もあるんでしょうかね。


これって単に「病床数」の比較でしかないんで、もっとシュアには「空いている病床の数」や「有効な病床の数」で比較すべきなのかもしれませんが、おおまかなメルクマールにはなるのではないか、と。

つまり推測としてはこう。


①感染者数が増えてきた時、その感染者に対応できる病床があるかどうかは、感染者数の増大のペースに影響する。(軽症者・無症状者を隔離できるので)

②病床が足りないと、感染者の隔離が出来ず、(感染者が街に出るため)感染者数の増大ペースが上がり、結果として重症者数が増える。この数がICU等の重症者対応する医療資源を超えることで「医療崩壊」が起きる。

(新型コロナウイルスによる重症者だけでなく、同時期の他病や怪我による重症者も救えなくなる)


日本は(検査を厳格化してることもあって)感染者を収容できる病床があり、そのことが「②」の状況にまで至っていない。

武漢・イタリアは「②」の状況に達している。

欧米諸国は「病床数」という入り口の医療資源の限界を認識していることから、「②」のリスクに直面しており、そのため厳しい対策に急速に舵を切っている。


…現状の僕の認識(推測)はこんなところですが、どうでしょう?


その前提で今後を考えると、


①日本でも感染者数は増えてきており、医療資源(特に病床数)の問題は表面化してきている。

②そのため軽症者・無症状者を入院させない「入院トリアージ」の実施が専門家委員会でも提言されており、大阪などは実施を念頭に置いている。

③ただそうなると市中に感染者が出てくる可能性は高くなる。そのことが重症者数を増やし、「重症者向け医療資源」を超過すると(オーバーシュート)、「医療崩壊」につながる危険性がある。


週末に起きた「大阪・兵庫往来自粛」の背景なんかを見ると、この点は厚労省も認識しているようですね。

コソコソやろうとしてたってのは気に喰わないけど。(と言うか、破滅的な結果をもたらすリスクもあると思う、こう言う対応は)


専門家委員会の提言なんかを考えると、

「地域別に区切った対策を柔軟・機動的に行うことにより、感染が増える地域での対応力を上げる(その地域のロックアウト含む)」

「感染が少ない地域の医療資源を、ワークできなくなった感染拡大地域の支援に回し、<医療崩壊>を防ぐ」

(これって中国が「武漢/その他の地域」でやったことでもありますかね)


現状を踏まえれば、

「都市圏を、それ以外の地域の医療資源でカバーする」

…じゃないかな?


ただ日本の医療資源については病床数の多さは「プラス」だけど、医療従事者に関してはこう言う面もあります。

画像4


また過度な個人意識や公共への理解の薄さも気になるところ。

(些末な例では「保育園」設置に対する住民の反対。大きくは原発の瓦礫処理の受け入れ問題等)


感染者に対する差別に対して、専門家委員会が厳しい言を突きつけているのは、人権上の観点がもちろん第一ですが、こういう背景もあるのかもしれません。

(いずれ軽症・無症状感染者が身近な存在(自宅療養で近所にいる等)になることは避けられません)

加えて「行動の変容」。

「人の移動」に関する指摘もそうなんですが、「感染した人がフラフラしない」ような環境づくりにも手を入れているのかも。

ここはワイドショー&日本的同調圧力を活用!

ここまで考えると、ちょっと陰謀論めいてくるかもしれませんがw。


いずれにしても、

「今は平穏な状況に見える」

けれども、

「危機域に近づいている地域はあり、予断は許さない」

ってのは確かなような気がします。


先は長そうやわ。



#afterCOVID

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?