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  • ツチヤタカユキさん

  • 講談 歌舞伎、たまに落語も。

    講談師 神田松之丞さんを追いかけていくうちに、落語も楽しくなりました。行った事のない寄席にも行くようになりました。 その感想や各会場や寄席の雰囲気などをぽつぽつと。 歌舞伎との共通点も多くて、これから古典芸能に触れてみたいな、という方のガイドになればいいな、なんて思います。

最近の記事

中村仲蔵

2019年1月29日 スペース・ゼロ新春寄席 @全労済ホールスペース・ゼロ 初めて聴いた松之丞さんの講談がこれだった。 2019年秋の独演会だったと思う。 歌舞伎歴が長い私にとっては、もう こんなの運命ですか?! と思うような一席だったからか、仔細に覚えている。 たっぷり50分かけて、下っ端役者だった頃の悔しさ、成田屋に目をかけてもらい、ついには名代へ。妬みからくる「五段目 斧定九郎」役を受けてからの苦悩。 どのシーンにも背景には、才能ある役者の孤独があった。 この孤独

    • 『赤穂義士銘々伝』幽霊退治

      2019年1月4日(金)『慶安太平記』完全通し公演2019 前夜祭 講談では、めったにかけない話の事を「珍品」と呼ぶのだそうな。 でも、だれかが読んで伝えて受け継がれていく伝統芸能。 これは愛山先生から受け継いだ珍品なのだそう。 愛山先生と聴くだけで、あのお茶目な笑顔が浮かんでニヤけてしまう。 不破数右衛門は、どこか天然で滑稽。 おこも(こじき)相手に試し斬りの件や、死体を滅多斬りにするあたりも、それあっての討入り大活躍! そこまで話が繋がると、もう少し不破の人となりが

      • 『赤穂義士伝』大石東下り

        2019年1月4日(金)『慶安太平記』完全通し公演2019 前夜祭 年末のネタおろしから二度目。 左内が内蔵助の奉書を開く時の、扇子の音に緊張が走る。 松之丞さんのこういう工夫が好きだな。 そして 読んでからの左内の心の内と平伏っぷりが、以前よりも 間をもって丁寧に描かれていました。ぐっと胸に迫ります。 周りにいる宿屋の主人達は、頭を下げているので 二人の左内に何が起こっているのかわからない。どちらが本物でどちらが偽物か、と。 そんな中での 声に出せない二人だけの胸の

        • 『赤穂義士銘々伝』大高源吾

          2019年1月4日(金)『慶安太平記』完全通し公演2019 前夜祭 まくらなし、静かに 「どういう意味だろう」という台詞からの入りは、最近の舞台のよう。 この日は、このセリフが一瞬 松之丞さんのまくらだと思ったお客様から、笑いが起きていました。 難しいな、これ(笑 宝井其角「年の瀬や 水の流れと人の身は」  大高源吾は付句で「明日待たるる その宝船」と詠む。 これを歌の注釈なしに、其角さんと一緒に悩ませ、場面が変わるごとに何度も唱えることで、聴き手にじわじわと解らせて

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          講談師 神田松之丞 新春連続読み 【慶安太平記】完全通し公演2019 前夜祭

          2019年1月4日(金)前夜祭 @あうるすぽっと(東池袋/東京) 明日からの連続読みの前夜祭。 前夜祭ってなにやるんだろうなあ、なんて思っていたら 通常の独演会の様子で赤穂義士伝の三席です。 講演前後にサイン会、この日はいつもの「講談入門」にCD2種、「pen+」はポストカード3枚のおまけつき仕様で販売。 ポストカード目当てで「pen+」を購入。 「pen+」は 表紙がツルツルしていてサインを書けないのだそうで、いつも目次のページに書いてもらいます。でも、やっぱりあの雰囲

          講談師 神田松之丞 新春連続読み 【慶安太平記】完全通し公演2019 前夜祭