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Goodman & Gilman 薬理学まとめノート#6 "Drug Metabolism"

Chapter6 "Drug Metabolism"についてのまとめ。


何が書いてあるか

・薬や毒物などの生体外物質(ゼノバイオティクス)は,薬物代謝酵素によって排出される。

・代謝は,疎水性化学物質をより親水性の高い誘導体に変換する役割を果たし,尿胆汁を介して容易に体内から排泄される。

・例:フェニトインの代謝,第1相のCYPによる4-ヒドロキシル化と第2相のグルクロン酸分子の抱合。

・例2:イリノテカンの代謝,血清エステラーゼ(CES2)によってトポイソメラーゼ阻害剤SN-38に代謝され活性を示す。SN-38はその後グルクロニド化されることで胆汁排泄される。

・薬物代謝反応は,第1相反応(酸化反応、還元反応、または加水分解反応)と,第2相反応(基質と分子の共役)に大別される。

・第1相反応では,主にCYPsシトクロムP450)によって水溶性の官能基が付加され,薬物の水溶性を上げる。

・第2相反応の代謝酵素;GSTUGTSULTNATMT

・CYPの構造:中心にヘムを含む

・CYPにおける酸化反応では,分子状酸素を取り込む。

CYP3A4は,CYPの中で最も多く含まれ,様々な薬物の代謝に働く。

・CYPによって行われる反応:N-脱アルキル化,O-脱アルキル化,芳香族水酸化,N-酸化,S-酸化,脱アミノ化,脱ハロゲン化など

・CYPが関わる薬物相互作用の例:ケトコナゾールによるCYP3A4および他のCYPの強力な阻害,グレープフルーツ果汁に含まれる成分による小腸でのCYP3A4の阻害

・CYPの多型:CYP2D6多型によるフレカイニドやデシプラミンおよびノルトリプチリンおよびコデインの代謝不全

FMOフラビン含有モノオキシゲナーゼ)は一部の薬物の代謝に関与する酵素であり,FMO3の遺伝子欠損は魚臭症候群を引き起こす。

・カルボキシルエステラーゼなどの加水分解酵素は,カルバマゼピンなどの一部の薬物の代謝に関与する。

第2相反応の中でも特に重要なのが,UGTによるグルクロン酸抱合である。

UGT1A1遺伝子の欠損は,Crigler-Najjar症候群やジルベール症候群などの原因となり,特にイリノテカンの代謝が変化する。

イリノテカンにおいて,グルクロニド化されたSN-38は腸管で腸内細菌のβ-グルクロニダーゼによって脱グルクロニド化される(腸肝循環),腸管でSN-38は下痢を引き起こす。

SULTは細胞質に存在し,PAPSに由来する硫酸塩を水酸基などにに共役させる。

GSTは,グルタチオンの共役を触媒する。

アセトアミノフェンの肝毒性は,NAPQIとの反応でグルタチオンを枯渇させることにより生じる。解毒薬であるN-アセチルシステインはグルタチオンの前駆体である。

NATは,芳香族アミンやヒドラジン基に,アセチルCoAからのアセチル基を付加する。

NAT2遺伝子の多型は,主にイソニアジドの代謝に影響を及ぼす。

N-メチルトランスフェラーゼによるメチル基の付加は,疎水性を上げる。

・薬物代謝に重要な核内受容体に,PXRCARPPARがある。


ノート

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