書記が数学やるだけ#812 算術幾何平均
楕円積分の具体例として,算術幾何平均の性質を見ていく。
問題
算術幾何平均と楕円積分の関係を示していく。
説明
算術幾何平均とは,2 つの複素数に対して算術平均と幾何平均を繰り返し用いて作られる数列の極限を指す。これは楕円積分で表すことができ,収束が速いことから円周率の数値計算に用いられる。
そのほかに楕円積分を用いる例として,単振り子の厳密解が挙げられる。
解答
算術幾何平均の大小関係は相加相乗平均の関係より示され,anとbnの差が0に収束することから算術幾何平均の収束が示せる。
ここで積分Iを導入し,これが算術幾何平均で表せることを示す。
最後に,算術幾何平均が第1種楕円積分で表せることを示す。なお,この式より前回示したレムニスケートの周長が算術幾何平均で表せることも言える。
本記事のもくじはこちら:
学習に必要な本を買います。一覧→ https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/1XI8RCAQIKR94?ref_=wl_share