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書記が数学やるだけ#752 ガロア理論における作図問題

定規とコンパスによる作図が可能かどうか,ガロア理論から見ていく。


問題



説明

定規とコンパスによる作図では,2次方程式に帰着できる問題は作図可能である。


以下に示すギリシアの三大作図問題は古代ギリシア時代から考えられたもので,1837年にヴァンツェルは、角の三等分問題立方体倍積問題は三次方程式を解かなくてはならない(作図不可能)ことを示した。また,円積問題は1882年にリンデマンにより π が超越数であることが証明され,作図が不可能であることが示された。


解答

四則演算は平行線を引くことで,ルート演算は円を用いることでそれぞれ作図可能である。


作図可能の必要十分条件を示す。これにより作図可能における拡大次数は2の冪乗であることがわかる。


例として,平方根の組み合わせで表せる数は作図可能で,3乗根を含むものは作図不可能である。

角の3等分について,90°な特別な角では作図可能だが,一般には作図不可能である。


正n角形の作図について,nがフェルマー素数と2の冪乗の積で表せるとき作図可能である,このことはガウスが1801年に出版した『整数論の研究』において証明された。


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