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書記が数学やるだけ#815 測度の構成

測度について基本事項を整理しておく。


問題


説明

測度とは面積,体積,個数といった「大きさ」に関する概念を一般化したものであり,「空集合の測度は0,可算加法性を満たす」関数である。また,重要な性質として,単調性・可算劣加法性・増大列連続性・減少列連続性が挙げられる。


すべての零集合の部分集合が(測度ゼロとなって)可測であるように完備化することで,完備測度が定義できる。


測度の具体例として,ルベーグ測度の性質を以下に示す。


確率を厳密化するには,確率測度が重要である。これは「値が0~1,完全加法性を満たす」関数と言える。


解答

測度の性質について,まず単調性・可算劣加法性を示す。


増大列連続性は上に示した可算劣加法性から示すことができる。減少列連続性については,μ(E1)<∞という条件が必要である。


閉区間 [a, b] の1次元ルベーグ測度は b − a であることから,1点・可算集合のルベーグ測度は0であることが示せる。


カントール集合は,非可算集合でルベーグ測度0となる例である。


最後に測度の完備化について,σ-加法族の定義を改めて思い出しておく。


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