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書記が物理やるだけ#335 バイアス回路の性質

バイアス回路の性質についていくつか見ていく。


問題


説明

前回のバイアス回路では電源を2つ用いたが,電源を1つのみにすることも可能である。それが以下に示す固定バイアス・自己バイアス・電流帰還バイアスである。


解答

図1は固定バイアス回路であり,温度上昇により電流増幅率hが上昇すると,コレクタ電流も増加するため,バイアス安定度が悪い


図2は自己バイアス回路であり,温度上昇により電流増幅率hが上昇してもベース電流は低下するため,コレクタ電流の増加が抑えられバイアス安定度が改善される。


図3は電流帰還バイアス回路であり,温度上昇により電流増幅率hが上昇するとコレクタ抵抗・コレクタ-ベース間電圧が下がるため,コレクタ電流の増加が抑えられバイアス安定度が改善される。


電流帰還バイアス回路の具体例について計算していく。

コレクタ-エミッタ間直流電圧を計算するにはエミッタ電圧とコレクタ電圧が必要で,エミッタ電圧はベース電圧とベース-エミッタ間直流電圧から,コレクタ電圧は直流電源電圧からコレクタに流入する分を差し引いて,それぞれ求めていく。



図2は図1の簡易等価回路であることは前回までで扱ってきた。電圧増幅度は入力電圧と出力電圧から求められ,これは電気回路の基本問題である。あとは2つの回路を比較して周波数fの式にすればよい。


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