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書記が法学やるだけ#5 行政上の強制措置

問題


解説

(1)正しい行政上の強制措置は,将来に向けて一定状態を実現する行政強制過去の違反行為に対し制裁を行う行政罰に分かれ,さらに行政強制は義務の不履行がある場合の行政上の強制執行ない場合の即時強制とに分けられる。行政上の強制執行には法の根拠が必要で,行政庁により自ら強制執行を行う(裁判所に強制執行してもらうことはできない,最判平14.7.9宝塚市パチンコ条例事件など参考)。

(2)正しい:行政上の強制執行には,代執行・執行罰・直接強制・行政上の強制徴収の4つがある。代執行とは,代替的作為義務を履行しない義務者に代わり行政機関が義務を履行することで,別に法律で定められるものを除き行政代執行法により定める。代執行をするには,文書での戒告および代執行令状による通知が必要である。

(3)誤り執行罰とは,予告に応じず義務を履行しない場合に過料を徴収することである。ここで過料とは,国または公共団体が行政上の義務違反に対して科す金銭罰のうち刑法上の刑罰以外のものを指し,執行罰・秩序罰・懲戒罰に課される。一方で,同じ読みである科料刑罰に属する。

(4)誤り直接執行とは,義務の不履行に対して,直接身体や財産に実力行使して義務を履行させることである。一方で即時強制では,義務を命じる余裕がない場合に,義務を履行させることなく身体や財産に実力行使することである。

(5)誤り行政罰は,刑事訴訟法の定めにより刑事裁判が決定する行政刑罰と,非訟事件手続法の定めにより裁判所が決定する秩序罰に分けられる。


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