書記が数学やるだけ#289 2次元確率分布の変数変換
2次元確率分布の変数変換は特に計算練習を積んでおきたい。
問題
説明
やっていることは重積分の変数変換と同じである,ヤコビアンを忘れてはいけない。
ボックス・ミュラー変換は,正規乱数を生成する上で重要。
確率変数の和を考える際に,特性関数を用いる方法の他に,以下に示す畳み込みを用いるもの有効である。
同じ分布に従う複数の独立な確率変数の和が元の分布に従うことを「再生性」という。
解答
極座標への変換,ヤコビアンはお馴染みだろう。
2つのガンマ分布の変数変換により,ベータ分布が生成される。
標準正規分布に関する変数変換。畳み込みと特性関数の2通りを示す。
カイ2乗分布の計算練習。
割り算が絡むと難問になりやすい,というのも場合分けの手間が重い。まずは分布関数を求める。
これを解くと,どちらの場合でもコーシー分布が導出される。
畳み込みの公式を知っていれば比較的容易に解ける,負の値を含める場合は絶対値による処理が必要。
コーシー分布は,コーシー-ローレンツ分布あるいはブライト・ウィグナー分布とも呼ばれ,標準正規分布よりも裾が広く,期待値が定義できないのが特徴である。
最後にボックス・ミュラー変換について。正規乱数はホワイトノイズなどに用いられる。計算としては,今回のように2回変数変換するのがわかりやすいと思う。
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