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書記が物理やるだけ#282 輻射伝熱の式

伝熱の3つ目である輻射伝熱について。


問題



説明

熱放射は,気体,液体または固体を構成する原子や分子から,温度に依存する電磁波が放出されている現象を指す。



熱した物質が,温度が低いときは赤っぽく,温度が高いほど青白くなることは,黒体放射の温度特性により説明できる。


黒体放射のスペクトルに関しては以下の式が重要である。


1860年にキルヒホッフが空洞放射が理想的な黒体輻射を実現することを示されて以降,様々な黒体輻射の分布式が提唱された。1896年にヴィルヘルム・ヴィーンがヴィーンの公式を発表,1900年にでレイリーがレイリー・ジーンズの公式を発表したが,全領域で一致するものではなかった。1901年にマックス・プランクはプランクの公式を考案し,これは全ての波長領域において実験データと一致した。ここで,これらの振動子のエネルギーが離散的になっていると仮定(エネルギーの量子化)することで,プランクの法則を導出することができた。これとアインシュタインの光量子仮説が,量子力学の重要な基礎となった。


解答

詳しい計算は統計力学で改めて行うとして,ここでは手順を簡単に確認しておく。


特にプランクの式は輻射伝熱の基礎式として重要である。


これを微分することでウィーンの変位則が,積分することでステファン・ボルツマンの式が導出できる。


具体例として黒体放射を実際に計算してみる。


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