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書記が数学やるだけ#818 ルベーグ積分における収束定理

ルベーグ積分の重要な性質である収束定理について証明していく。


問題



説明

以下に示す収束定理は,積分と極限の交換を可能にするものである。まずは単調収束定理から,今回は非負可測関数の増大列について示す。


ファトゥの補題とは,ある関数列の下極限の積分と,積分の下極限とを関係付ける不等式についての補題である。


ルベーグの優収束定理とは,ある関数列に対して,そのルベーグ積分と,ほとんど至る所での収束という二つの極限操作が可換となるための十分条件について述べた定理である。


以前に示した関数項級数の項別積分定理がルベーグ積分でも成り立つ:



解答

単調収束定理では>=を示すのがポイントになってくる。


ファトゥの補題について,証明には単調収束定理を用いる。


ルベーグの優収束定理の証明にはファトゥの補題を用いる。


項別積分について,単調収束定理とルベーグの優収束定理を用いる。


積分と微分の交換も可能だが,色々と条件が必要である。


ルベーグの優収束定理は,可積分関数で押さえられない場合は成り立たない。


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