Goodman & Gilman　薬理学まとめノート#62 "Antiviral Agents (Nonretroviral)"

Chapter62 "Antiviral Agents (Nonretroviral)"についてのまとめ。

何が書いてあるか

・ウイルスは，二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAのいずれかで構成される単純な微生物であり，カプシドと呼ばれるタンパク質のコートに包まれている

・ウイルスの中には，感染した宿主細胞に由来する脂質エンベロープを持つものもある

・DNA ウイルス：ポックスウイルス（天然痘），ヘルペスウイルス（水痘，帯状疱疹，口腔ヘルペスおよび性器ヘルペス），アデノウイルス（結膜炎，咽頭痛），ヘパドナウイルス（HBV），パピローマウイルス（いぼ）

・ほとんどの DNA ウイルスは宿主細胞の核に入り，そこでウイルス DNA は宿主細胞ポリメラーゼによって mRNA に転写され，mRNA は通常の宿主細胞の方法でウイルス特異的なタンパク質に翻訳される

・RNA ウイルスの場合，複製戦略は，ウイルス内の酵素に頼って mRNA を合成するか，ウイルス RNA がそれ自身の mRNA として機能するかのいずれかである

・RNAウイルス：風疹ウイルス（ドイツ麻疹），ラブドウイルス（狂犬病），ピコルナウイルス（ポリオ骨髄炎，髄膜炎，風邪，Ａ型肝炎），アレナウイルス（髄膜炎，ラッサ熱），フラビウイルス（西ナイル髄膜脳炎，黄熱，C型肝炎，ジカウイルス），オルソミオウイルス（インフルエンザ），パラミクソウイルス（麻疹，おたふくかぜ），コロナウイルス（風邪，SARS）

・アシクロビルは，通常リボースによって供給される2′と3′の位置を欠いた非環状グアニンヌクレオシド類似体であり，ヌクレオシドコンジェナーであり，ウイルスキナーゼによって細胞内でリン酸化され，その後宿主細胞酵素によってウイルスDNA合成の阻害剤となる

・バラシクロビルは，アシクロビルのl-バリルエステルプロドラッグである

・アシクロビルの臨床的使用：単純ヘルペスウイルス感染症

・シドフォビルは，ヒトヘルペス，乳頭腫，多形腫，痘瘡およびアデノウイルスに対して阻害活性を有するシチジンヌクレオチド類似体で，鎖伸長を遅らせ最終的には終止させることで，ウイルスのDNA合成を阻害する

・ファムシクロビルは，6-デオキシペンシクロビルのジアセチルエステルプロドラッグであり，HSVおよびVZVに対する活性スペクトルおよび効力においてアシクロビルに類似している

・ペンシクロビルは，非環状グアニンヌクレオシド類似体である

・経口ファムシクロビル，外用ペンシクロビルおよび静脈内ペンシクロビルは，HSVおよびVZV感染症の管理に承認されている

・ガンシクロビルは，非環状グアニンヌクレオシド類似体でありアシクロビルと構造が類似している，すべてのヘルペスウイルスに対して阻害活性を有し特にCMVに対して活性を示す

・バルガンシクロビルは，ガンシクロビルのl-バリルエステルプロドラッグである

・ホスカルネットは，すべてのヘルペスウイルスとHIVに対して阻害性を示す無機ピロリン酸アナログで，HSV DNAポリメラーゼまたはHIV逆転写酵素と直接相互作用することにより，ウイルス核酸合成を阻害する

・ホミビルセンは，CMVの主要な即時-初期転写領域のmRNA配列に相補的であり，ウイルスの細胞への結合の阻害を含む配列特異的および非特異的なメカニズムによりCMVの複製を阻害する

・ドコサノールは長鎖飽和アルコールで，HSVを含む多くの脂質発現ウイルスのin vitro複製を阻害する

・イドクスウリジンは，ヘルペスウイルスやポックスウイルスを含む様々なDNAウイルスのin vitroでの複製を阻害するヨウ素化チミジンアナログである

・トリフルリジンはフッ素化ピリミジンヌクレオシドであり，アシクロビル耐性株を含むヘルペスウイルスの複製を阻害し，また比較的低濃度で細胞の DNA 合成を阻害する

ノート

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