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書記が数学やるだけ#713 双曲線関数に関する入試問題

特殊相対性理論におけるミンコフスキー空間を考える上で,双曲線関数が必要になったのでここで解説する。


問題

双曲線関数は入試問題でも頻出。


説明

双曲線関数とその微分について:



三角関数が単位円から定義できるのと同様に,双曲線関数は双曲線から定義できる。


加法定理をはじめとして,三角関数に類似の性質が成り立つことは複素数による表示を見れば一目瞭然:





解答

面積を求めるには部分に分ければよいことは容易にわかる。問題は√x^2-1の積分で,色々方法はあるがここでは双曲線関数を用いた置換積分を実行する。結果として網掛け部分の面積はs/2である,ちなみにこの時の角度∠POHを双曲角という。

相対性理論におけるローレンツ変換時空座標の双曲回転であることは物理の項で示すことにする。


次に関数方程式の問題について,この形はtanθの加法定理の符号違いである。いくつかの誘導を経てf(x)を求めていく,まずは奇関数であることから。


微分可能であることを示すには微分係数を調べる。ここでf'(0)が出てくるように式変形をする。


あとは積分すれはf(x)が求められる,これは逆双曲線関数arctanh xであり,問題の関数方程式は双曲線関数tanh xの加法定理であった。


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