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書記が物理やるだけ#373 厚肉レンズの光路,メガネの原理,光線追跡

ここまで示してきた光学系の合成について見ていく。


問題

具体例として厚肉レンズとメガネを扱う。


説明

厚肉レンズではレンズ面の間隔が無視できず,焦点の他に像の横倍率が変わらない共役点(主点)を持つ。


人間の眼にある水晶体は,凸レンズの性質を持ち景色を網膜に写す。近視は,網膜上の正しい位置ではなくもっと手前に焦点を結んでしまう状態であり,凹レンズにより屈折力を緩和させることでピントが合うようになる。なお,遠視に対しては,逆に凸レンズが矯正に用いられる。


ここまで扱ってきた近軸光線系は,行列解析によっても示すことができる。



解答

焦点距離について,レンズ内の焦点距離を置いて示していく。また,横倍率が不変となる距離から,主点距離が求められる。なお,厚肉レンズでもレンズの公式やニュートンの結像式などが成り立つ。


メガネについて,2m以上のものが見えない近視に対しては,凹レンズにより無限遠の光線を2mに置けばよく,焦点距離はレンズの公式から求められる。遠視についても同様。


行列解析の準備として,換算角度・換算距離に関する漸化式を立てる。


これらをもとに,高さ・換算角度における行列表示を,屈折行列・移行行列より示す。単一レンズでは「屈折→移行→屈折」という変換を行列積で示す。


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