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書記が法学やるだけ#22 住民の権利,関与

問題


解説

(1)正しい市町村の区域内に住所を有する者は,当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする(10条1項)。一方,日本国民たる年齢満十八年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有するものは,その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する(18条)。また,被選挙権については19条に示されている。

(2)誤り直接請求には,条例の制定改廃請求,事務監査請求,議会の解散請求,議員・長・主要公務員の解職請求(リコール)の4種類がある。このうち,条例の制定改廃請求には選挙権を有する者の総数の1/50以上の署名が必要で,長に請求する(74条)。

(3)正しい事務監査請求を行うには,選挙権を有する者の総数の1/50以上の署名が必要で,監査委員に請求する(75条)。一方で,違法または不当な財務会計上の行為又は怠る事実に対しては,住民一人でも監査請求をすることができる(住民監査請求,242条1項)。また,住民監査請求による監査に不満のある住民は,違法な財務会計上の行為又は怠る事実に対して,裁判所に対して訴訟を行うことができる(住民訴訟,242条の2第1項)。なお,住民訴訟を提起できるのは,住民監査請求をした者に限られる(監査請求前置主義,242条の2第1項)

(4)正しい:普通地方公共団体は,住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(公の施設)を設けるものとする(244条1項)。普通地方公共団体は,公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは,条例の定めるところにより,法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(指定管理者)に当該公の施設の管理を行わせることができる(244条の2第3項)。

(5)誤り:国から地方公共団体への関与には,助言又は勧告,資料の提出の要求,是正の要求,同意,許可・認可・承認,指示,代執行,協議の8種類がある(245条)。普通地方公共団体は,その事務の処理に関し,法律又はこれに基づく政令によらなければ,普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け又は要することとされることはない(245条の2)。

(6)誤り:総務省には,国の関与に関する審査の申出につきこの法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する国地方係争処理委員会が置かれている(250条の7第1項)。また,自治紛争処理委員は,都道府県の関与に関する審査などに係る審理を処理する(251条)。


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