書記が法学やるだけ#3 行政行為，行政裁量

問題

解説

(1)誤り：行政行為（処分）とは，行政庁が法律の定めに従って，一方的な判断に基づいて，特定の個人の権利義務を具体的に決定する行為のことである。行政行為は，法律行為的行政行為と準法律行為的行政行為（確認・公証・通知・受理）に，さらに法律行為的行政行為は命令的行為（下命・禁止・許可・免除）と形成的行為（特許・認可・代理）に分類される。

(2)正しい：行政行為の効力について，公定力・不可争力・執行力・不可変更力が認められている。しかし，重大かつ明白な瑕疵のある行政行為については公定力や不可争力が認められない（最大判昭31.7.18）。

(3)正しい：取消しとは行政庁が瑕疵ある行政行為を遡及して無効化することであり，撤回とは瑕疵ない行政行為に対し将来の効力を無効化することで，共に法律の根拠は不要である。

(4)誤り：行政行為の附款は，法律行為的行政行為に付加されるもので，条件・期限・負担・撤回権の留保・法律効果の一部除外の5種類がある。条件は満たされない場合に行政効力に影響を及ぼすが，負担は満たされない場合に行政効力に影響を及ぼさない。

(5)正しい：行政裁量とは，法律が行政機関に自由な判断の余地を認めているもので，要件裁量と効果裁量に分類される。原則としては司法審査が及ばないが，裁量権の逸脱・濫用があった場合には裁判所が判断過程審査などを行い取り消すことができる。

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