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書記が法学やるだけ#78 農地法

問題


解説

農地法は,国内の農業生産の基盤である農地現在及び将来における国民のための限られた資源であり,かつ,地域における貴重な資源であることにかんがみ,耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ,農地を農地以外のものにすることを規制するとともに,農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し,及び農地の利用関係を調整し,並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより,耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り,もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする(1条)。

(1)誤り:「農地」とは,耕作の目的に供される土地をいい,「採草放牧地」とは,農地以外の土地で,主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう(2条1項)。農地・採草放牧地に該当するかどうかは,土地の現況によって判断する。本問では,「雑種地を開墾し耕作している土地」が現況のため,登記によらず,農地に該当する。

(2)正しい農地・採草放牧地権利移動には農業委員会の許可が必要(3条),農地転用には都道府県知事の許可が必要(4条),農地・採草放牧地転用目的の権利移動には都道府県知事の許可が必要(5条)である。

(3)正しい法第3条第1項による許可を受けないでした行為は,その効力を生じない(3条6項)。なお,法第5条第1項による許可を受けないでした行為においても,その効力を生じない(5条3項)。

(4)誤り耕作の事業を行う者が,2アール未満の農地その者の農作物の育成若しくは養畜の事業のための農業用施設に供する場合には,4条の許可は不要である(4条1項8号)。

(5)正しい市街化区域内の農地を転用目的で取得する場合,あらかじめ農業委員会に届出をする場合には,5条の許可が不要になる(5条1項7号)。


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