書記が物理やるだけ#368 円柱まわりの流れ,マグヌス効果
円柱まわりの流れを通して,マグヌス効果の原理を示していく。
問題
説明
ダランベールのパラドックスとは,静止している理想流体(粘性が0である流体)中に物体を等速直線運動させたときに,物体には抵抗力が働かないという,一見直感に反する事実(パラドックス)を指す。
マグヌス効果とは,回転しながら進む物体にその進行方向に対して垂直の力(揚力)が働く現象である。ベンジャミン・ロビンスによって観察された小銃から発射される球形の弾丸が曲がることを説明するにあたって,1852年にドイツの科学者ハインリヒ・グスタフ・マグヌスによってはじめて認識された。
解答
平行流と2重吹き出しの合成は,静止円柱まわりの流れに相当する。
流線は以下の通りで,円柱の外側が実際の流れに相当する。
速度成分および圧力分布は以下の通り。
圧力分布から円柱が流体から受ける力を計算すると,x方向とy方向の両方で0となり,ダランベールのパラドックスが示される。
上に自由渦を加えることで,回転円柱まわりの流れが表される。この圧力分布からマグヌス効果が働くことが示せる。
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