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書記が法学やるだけ#101 不正競争防止法,独占禁止法

問題


解説

(1)誤り不正競争防止法は,事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため,不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ,もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする(不正競争防止法1条)。2条1項の不正競争の類型として,周知表示混同惹起・著名表示冒用・商品形態模倣・営業秘密不正取得等・限定提供データの不正取得等・原産地等誤認惹起・競争者営業誹謗が挙げられる。例として,商品形態模倣とは,他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く)を模倣した商品を譲渡し,貸し渡し,譲渡若しくは貸渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為を指す(2条1項3号)。

(2)正しい:不正競争のうち営業秘密不正取得等について,「営業秘密」とは,秘密として管理されている生産方法,販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって,公然と知られていないものをいう(2条6項)。

(3)誤り民法522条によると,契約は,契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。また,契約の成立には,法令に特別の定めがある場合を除き,書面の作成その他の方式を具備することを要しない,つまり口約束でも良い。

(4)正しい私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)は,私的独占,不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し,事業支配力の過度の集中を防止して,結合,協定等の方法による生産,販売,価格,技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより,公正且つ自由な競争を促進し,事業者の創意を発揮させ,事業活動を盛んにし,雇用及び国民実所得の水準を高め,以て,一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする(独占禁止法1条)。なお,この法律の規定は,著作権法,特許法,実用新案法,意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない(21条)。

(5)誤りパテントプールとは,特定のテクノロジーに関連した特許のクロスライセンス契約に合意した2つ以上の企業によるコンソーシアムであり,特許権を一括管理することで効率化を図ることができる。一方で,独占禁止法に抵触する可能性があることに注意が必要である(例:「パチンコ機特許プール事件」(平成 9年 8月 6日公正取引委員会勧告審決))。


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