Goodman & Gilman 薬理学まとめノート#33 Drug Therapy for Dyslipidemias
Chapter33 "Drug Therapy for Dyslipidemias"についてのまとめ。
何が書いてあるか
・脂質異常症は,CHD,虚血性脳血管疾患,末梢血管疾患などのASCVDの主な原因となっている
・リポタンパク質は,脂質とタンパク質を含む高分子集合体である
・食餌性脂肪やコレステロールの取り込みと輸送に関与する経路において,リポタンパク質が関与する
・キロミクロンは,小腸の上皮細胞が吸収した食事性中性脂肪やコレステロールの脂肪酸から合成され,血漿中のリポタンパク質の中で最大かつ最少密度のものである
・VLDLは,遊離脂肪酸の流量の増加または肝臓による脂肪酸の de novo 合成の増加によってトリグリセリドの産生が刺激されると肝臓で産生される
・LDLはVLDLに由来し,コレステロールを多く含む
・LDLはその過剰により,マクロファージのSRによるLDLの取り込みに必要なステップである酸化によって修飾されることで動脈硬化性になる
・HDLはCHDのリスクを低下させる保護リポタンパク質である
・膜トランスポーターABCA1は,細胞からHDLへの遊離コレステロールの移行を促進する
・脂質異常症の治療は,心筋梗塞や脳卒中を含む致死的および非致死的なアテローム性硬化性心血管イベントのリスクを低減することを基本としている
・一次予防には,初発のASCVDイベントを予防するための危険因子の管理が含まれる
・二次予防は,過去にASCVDイベント(心筋梗塞、脳卒中、または再灌流)を起こしたことがあり,その危険因子を積極的に治療しなければならない患者を対象としている
・成人におけるスタチンの使用に関するACC/AHAの推奨事項
・シンバスタチン,ロバスタチン,フルバスタチン,プラバスタチン,アトルバスタチン,ロスバスタチン:スタチン系薬剤,HMG-CoA還元酵素を競合的に阻害,トリグリセリドの減少,肝コレステロール合成を阻害することでLDL受容体遺伝子の発現が増加,有機アニオントランスポーターOATP1B1によって取り込まれる,副作用に重篤な肝障害
・コレスチラミン,コレスチポール,コレセベラム:胆汁酸隔離樹脂,肝胆汁酸の合成が増加する→肝コレステロール含量が低下→LDL受容体の産生を刺激
・ナイアシン:HSLによるトリグリセリドの脂肪分解を阻害→遊離脂肪酸の肝臓への輸送を減少→肝トリグリセリド合成を減少,LPL活性を高める,高トリグリセリド血症とLDL-Cの上昇に適応,副作用に潮紅と消化不良や肝毒性
・クロフィブラート,ゲムフィブロジル,フェノフィブラート,ベザフィブラート,シプロフィブラート:フィブラート系薬剤,PPARαに結合しPPARαが介在する脂肪酸酸化の刺激,LPL合成の増加およびアポC-IIIの発現の減少を介してトリグリセリドを減少
・エゼチミブ:小腸輸送タンパク質NPC1L1でのコレステロールの吸収を阻害,総コレステロール値およびLDL-C値を低下
・EPA,DHA:オメガ3脂肪酸,VLDLトリグリセリドを減少,重度の高トリグリセリド血症の成人患者の治療のための食事療法の補助
・プロ蛋白質変換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)は,肝細胞表面のLDL受容体に結合し,LDL受容体のリソソーム分解を促進し,血漿中LDL濃度を上昇させるプロテアーゼである
・スタチン系薬剤がコレステロール産生を阻害しLDL受容体の産生を刺激するのに対し,PCSK9阻害薬は肝細胞の表面でより多くのLDL受容体を利用できるようにする
・アリロクマブ,エボロクマブ:PCSK9阻害薬
・ロミタピドメシル酸塩:VLDLの形成に不可欠なMTPを阻害
・ミポメルセン:アポB-100合成を阻害
ノート
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