書記が数学やるだけ#109 フーリエ級数-1(三角波,のこぎり波,矩形波)
今回から,実際にフーリエ級数を求めてみる。
問題
説明
フーリエ級数(Fourier series)とは,複雑な周期関数や周期信号を,単純な形の周期性をもつ関数の(無限の)和によって表したものである。
フーリエ級数は現在となっては便利な道具であることを疑わないが,フーリエが提示した当時では関数列の収束性の議論が成熟しておらず,受け入れられるまでには時期を待たねばならなかった。
本記事ではこの収束定理について証明なしに用いることにする。
解法
偶関数なのでsinnxの項は0になる,よってcosnxの項だけ考えればよい。計算としては部分積分を行う。
実際に項を増やしていくと,三角波に近づいていくことがわかる。
また,このフーリエ級数にx=0(連続点)を代入すると,無限和の公式が得られる。
次にのこぎり波,今度は奇関数なのでcosnxの項が0になり,sinnxの項だけ残る。
項を増やしていく,が先ほどに比べるとどうも収束が遅いように見える。というのも,のこぎり波は不連続な点を持ち,その周辺では近似が悪くなるのである。
最後に矩形波。
やはりこちらも,不連続点のために誤差が見える。
次回もフーリエ級数について扱う。
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