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書記が物理やるだけ#351 固体中の電気伝導,ホール素子の原理

結晶における電気伝導を考える。


問題

電験の問題は電磁気学と半導体の複合問題である。


説明

一定の力が働くときの周期的ポテンシャルに閉じ込められた電子は,実空間で振動する(ブロッホ振動)。


ドルーデモデルは,1900年にパウル・ドルーデにより提唱された電気伝導についてのモデルで,物質(特に金属)内部の電子の特性について記述する。これを用いることでオームの定理を説明することができるようになる。後の1933年に,ゾンマーフェルトとベーテにより量子論の結果が取り込まれ,ドルーデ・ゾンマーフェルトモデルへと発展した。


ホール効果とは,電流の流れているものに対し電流に垂直に磁場をかけると,
電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象である。応用として,ホール素子はホール効果を利用して磁界を検出する素子であり,主に半導体から構成される。 


解答

ブロッホ振動について,電子の速度と外力の式から導出する。ここで,結晶中の電子について有効質量を導入しておく。


グラフは以下の通りで,速度・有効質量は波数により変わることがわかる。


ドルーデモデルから,オームの法則を導出していく。


最後にホール素子について電験の問題から見ていく,ポイントは磁界の印加からホール電位の発生である。


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