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書記が数学やるだけ#830 単調族,フビニの定理

積分の入れ替えが可能な条件について,フビニの定理を示していく。


問題


説明

ある2つの可測空間とその上の測度が与えられたとき,その空間に対する直積可測空間積測度を導出することができる。


集合 X の部分集合族M⊂P(X)が単調である(単調族)とは,Mの極限がまたMに属するときに言う。特に,有限加法族から生成された単調族はσ加法族と一致することが重要。


フビニの定理は,Guido Fubini (1907) によって導入された,逐次積分による二重積分の計算が可能となるための条件に関する一結果である。また,トネリの定理では,フビニの定理の |f| の積分が有限であるという仮定はf が非負であるという仮定に置き換えられる。


フビニの定理が成立する場合,積分の入れ替えが可能になる:


解答

直積測度の存在性と一意性について,ホップの拡張定理から示すことできる。


有限加法族から生成された単調族はσ加法族と一致することについて,ディンキン族でやったことと同じ方法で示せる。


上より直積σ加法族が有限加法族から生成された単調族に等しく,Aを全て集めた集合族が単調族であることが示せる。本証明では集合について示したが,非負関数及び可積分関数への拡張は容易にできる。


ここで,被積分関数が可積分でなければフビニの定理が成り立たない点に注意。


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