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書記が物理やるだけ#306 2原子分子の理想気体・相互作用ありの気体

カノニカル分布の例として2原子分子・相互作用ありの理想気体を扱ってみる。


問題



説明

2原子分子の運動には並進・回転・振動がある。


相互作用のある気体を考える方法は以前に熱力学で示したので,今回は統計力学から示していく。




解答

運動エネルギーについては古典力学で示したものと同様。


分配関数内部エネルギーを求めていく。並進運動については,単原子の場合と同じ形で示せる:



回転運動を考える際には,解析力学で用いた一般化運動量を用いる。


これより分配関数と内部エネルギーが得られる。


次に相互作用のある気体について,相互作用を評価する。分配関数の計算について,ビリアル係数が登場する。


ここで示した圧力の式はビリアル展開の1次近似である。


ここでa,bを以下のように定義すると,それぞれ引力と斥力に対応することがわかる。


高密度領域に拡張することで,ファンデルワールスの状態方程式を導出すること負ができる。これで統計力学から熱力学へと接続することができた。


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