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Goodman & Gilman 薬理学まとめノート#2 "Pharmacokinetics: The Dynamics of Drug Absorption, Distribution, Metabolism, and Elimination"

Chapter2 "Pharmacokinetics: The Dynamics of Drug Absorption, Distribution, Metabolism, and Elimination"についてのまとめ。


何が書いてあるか

薬物動態のプロセスは,ADME吸収,分布,代謝,排泄)として表される。

血漿膜は両親媒性の脂質二重層からなり,薬物においては分子型は透過するがイオン型は透過しない

pHの変化は,分子型とイオン型の存在比を変化させ,ADMEに影響する。

・水溶性の薬剤は,チャネルによる促進拡散や,ポンプによる能動輸送によって細胞膜を通過する。

バイオアベイラビリティとは,投与された薬物が作用部位または全身循環に到達する程度を示す。

投与経路経口投与静脈内投与,皮下投与,直腸投与,舌下投与など

生物学的に同等:2つの製品の有効成分のバイオアベイラビリティーが同等であること→ジェネリック医薬品の条件

・多くの薬物は,アルブミンやα1-酸性糖タンパク質などの血漿タンパク質に結合して血流中を循環する。

・血漿タンパク質に結合していない薬物のみが膜を横切ることができる。

・CNS,BBB,およびCSFなどの連続的なタイトジャンクションは,薬物の透過を制限する。

・作用部位から他の組織または部位への薬物の再分布を起こす薬剤がある。例:チオペンタール,脳血流を循環したのちに筋肉や脂肪組織に再分配される

胎盤は,薬物の有害な影響から胎児を保護するための選択的バリアとして機能する。

・多くの薬物は,代謝反応によりより極性の高い不活性な代謝物が生成され,体内から排泄される。

・薬物の代謝は主に肝臓で起こり,第一相反応(酸化、還元、または加水分解反応)と第二相反応(抱合反応)に分類される

プロドラッグは,薬理学的に不活性な化合物であり,代謝によって活性型に変換され薬理効果を発揮する薬剤である。

・薬物は,主に腎臓から排泄される;糸球体濾過尿細管分泌尿細管再吸収の3つのプロセスを経る
・一部の薬剤は腸肝循環を受けて排泄されたり,汗や唾液などの体液に排泄されたりする。

・薬物動態における重要なパラメータ:バイオアベイラビリティ分布容積クリアランス半減期

クリアランスCLとは,生体から薬物を消失する能力を表すパラメータであり,主に肝臓と腎臓が関与する。

分布容積Vは,薬物が瞬時に血漿中と等しい濃度で各組織に分布すると仮定したときに求められる見かけの容積である。

・一定の速度で薬物を投与し続けると,最終的には定常状態の濃度(定常状態濃度)が得られる。

半減期t1/2は血漿中濃度が50%減少するまでの時間を表し,薬物の除去の度合いを指す。

経口投与などにおいて,肝臓での初回通過効果によりバイオアベイラビリティが変動する。

・基本的に薬物動態は線形性を示すが,タンパク質結合の飽和代謝の飽和などによって非線形性を示すことがある。

薬効の強さは最小有効濃度以上の濃度に関係しており,薬効の持続時間は薬物濃度がこの値を超えている時間の長さによって示される。

・定常状態における薬物濃度を測定することで,治療を受けている患者のCL/Fを推定する(モニタリング)。


ノート

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参考:

生体膜について;


トランスポーターについて;


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