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書記が数学やるだけ#829 ディンキン族,外測度,ホップの拡張定理

外測度に関する定理をいくつか取り上げる。


問題


説明

ディンキン族は,測度と親和性の良いいくつかの条件を満たし,測度の同値を示すときなどに有用である。


外測度は,コンスタンティン・カラテオドリによって加算加法的測度の理論の基礎を与えるため導入された。


ホップの拡張定理とは,有限加法的測度が完全加法族上の(完全加法的)測度に拡張できるための条件を述べた定理である。


カラテオドリの拡張定理は,ジョルダン測度がルベーグ測度に一意に拡張できることを示したものだが,E.ホップはより一般の有限加法的測度が(完全加法的)測度に拡張できるための必要十分条件を示した。


解答

準備として,生成されるディンキン族を示しておく。


ディンキンの補題は,共通部分で閉じている場合にAを含む最小のディンキン族はAを含む最小の完全加法族に一致することを示す。証明について設定に癖があるものの,やっていることは単純な集合演算である。


本問は,外測度を構成する方法の一つであり,特に可算劣加法性を示すことがポイントとなる。


カラテオドリ可測集合全体について,定義よりσ加法族であることを示していく。


ホップの拡張定理を示すために,まず外測度と有限加法的測度が一致することを示す。


あとはσ加法族であるカラテオドリ可測集合全体にAが含まれることを示せばよい。なお証明は省くが,σ有限なら拡張は一意的である。


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