ITパスポート 過去問ローラー日誌 #11

8/19実施分その2。

過去問参照元:


問題一覧

(1)令和元年秋期 問2 ストラテジ系

「あるメーカの当期損益の見込みは表のとおりであったが,その後広告宣伝費が5億円,保有株式の受取配当金が3億円増加した。このとき,最終的な営業利益と経常利益はそれぞれ何億円になるか。ここで,広告宣伝費,保有株式の受取配当金以外は全て見込みどおりであったものとする。」

画像1

 ア:営業利益;85,経常利益;92

 イ:営業利益;85,経常利益;93

 ウ:営業利益;220,経常利益;92

 エ:営業利益;220,経常利益;93


(2)平成29年春期 問6 ストラテジ系

「一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって,プロセス全体の最適化を図ることを目的とする考え方はどれか。」
 ア:CRM イ:HRM ウ:SFA エ:TOC


(3)平成29年春期 問15 ストラテジ系

「不適切な行為a~cのうち,不正アクセス禁止法において規制されている行為だけを全て挙げたものはどれか。

a;他人の電子メールの利用者IDとパスワードを,正当な理由なく本人に無断で第三者に提供する。
b;他人の電子メールの利用者IDとパスワードを,本人に無断で使用してネットワーク経由でメールサーバ上のその人の電子メールを閲覧する。
c;メールサーバにアクセスできないよう,電子メールの利用者IDとパスワードを無効にするウイルスを作成する。」

ア:a イ:a,b ウ:a,b,c エ:b


(4)平成24年春期 問57 テクノロジ系

「ADSLに関する記述のうち,適切なものはどれか。」
 ア:ADSLを使用するためには,自宅まで光ケーブルが引き込まれている必要がある。
 イ:ISDN回線でもADSLを使用することができる。
 ウ:光ケーブルではない一般のアナログ電話回線を使用する。
 エ:自宅から最寄りの電話局までの距離は,ADSLの通信速度とは無関係である。


(5)平成29年秋期 問88 テクノロジ系

「関係データベースにおける外部キーに関する記述のうち,適切なものはどれか。」
 ア:外部キーがもつ特性を,一意性制約という。
 イ:外部キーを設定したフィールドには,重複する値を設定することはできない。
 ウ:一つの表に複数の外部キーを設定することができる。
 エ:複数のフィールドを,まとめて一つの外部キーとして設定することはできない。

 


解説?

(1)

営業利益と経常利益についてわからないと解けない上に,広告宣伝費と保有株式の受取配当金が何に属しているかまで問われている,個人的に難問だと思う(普通なら営業利益と経常利益で止まる)。

損益計算書の区分上は,広告宣伝費は「販売費及び一般管理費」に,受取配当金は「営業外収益」に分類されるので、広告宣伝費5億円、受取配当金3億円を損益計算書に足すと最終的な金額は以下のようになる。

画像2

それで,この表から営業利益経常利益を求めていく。公式よりも,図でまとめて覚えるのが効率的。

画像3

これより計算すると,

営業利益:1,000-780-135=85億円

経常利益:85+23-16=92億円

となる。

(図はいずれも以下からの引用:

平成30年春期 問19でも似たような形で出題されている。


個人的な印象であるが,損益計算書の計算問題は覚えることが多い割には毎回1問しか問われない(?)ために,あんまり効率が良くない分野だと思う(4者択一の横文字を覚える方が効率いい,別々に問われる可能性もあるため)。なので学習の優先度としては低めでいいのでは。


(2)

横文字タイム。

CRM(Customer Relationship Management):顧客に関するあらゆる情報を統合管理し、顧客との良好な関係を企業活動に有効活用する経営管理手法

HRM(Human Resource Management):人事資源管理,社員を経営上の重要な資源と位置付け,長期的な計画に基づき,戦略的に育成や活用を行おうとする管理手法

SFA(Sales Force Automation):営業活動にITを活用して,営業の質と効率を高め売上や利益の増加につなげようとする考え方

TOC(Theory Of Constraints):制約条件の理論,工程の流れの中でのボトルネックを特定し,その部分を重点的に改善することで収益の最大化を図る管理手法

この中では,特にCRMが何回も問われている(成28年秋期 問5など)。


(3)

不正アクセス禁止法が問われやすいのはともかくとして,他の法律との鑑別も求められている。

今回の場合,ウイルスを作成する行為は,「不正指令電磁的記録に関する罪」に該当する。


なお,平成28年秋期 問31においては,「ネットワークに接続されアクセスが制限されているコンピュータに対して,システムのセキュリティ上の弱点を突いて侵入する行為を規制している法律」を不正アクセス禁止法と答えさせる問題となっている。


(4)

知らないと解きようがない。

ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)とは,デジタル加入者線DSL)の一種であり,一般のアナログ電話回線を流用してブロードバンドインターネット接続サービスを提供することができる高速デジタルデータ通信技術である。

ここでAsymmetricとあるのは,アップロードとダウンロードの通信速度が異なることによる。

ADSLは,収容局に設置された端末装置(DSLAM)からの延長距離が長いほど通信速度が低下する。

もう一つ用語として,ISDN(Integrated Services Digital Network:サービス総合ディジタル網)とは,交換機・中継回線・加入者線まで全てデジタル化された公衆交換電話網である。


(5)

外部キー(foreign key)とは,関係データベースにおいて他の表を参照するために設定される列であり,参照先の列に存在しない値を設定できなくなる(参照制約)。

本問で比較されているのは主キー(primary key)であり,レコードを一意に識別することができるように指定される項目である(一意性制約)。


解答一覧

(1):ア (2):エ (3):イ (4):ウ (5):ウ


演習結果

スクリーンショット 2020-08-19 16.30.56


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