書記が物理やるだけ#376 偏光の性質
偏光の性質について,ここでまとめて示しておく。
問題
2023年の京大物理では,偏光に関する性質が問われた。
説明
偏光とは,電場および磁場の振動方向が規則的な光のことであり,特定の方向に振動する電磁場の通過を抑制する性質が偏光フィルターとして用いられる:
偏光にまつわる現象として,複屈折が挙げられる。
線形代数の手法により偏光の解析を行う方法について。ストークスパラメータは,水平方向・垂直方向・±45°・左右円偏光の強度を4つのパラメータで示したものである。
一方でジョーンズベクトル・ジョーンズ行列は,完全偏光に限定して2行2列のパラメータで示したものである。
解答
光波をx方向とy方向に分けて表示して式変形すると,楕円を表す式が出てくる。
直線偏光,円偏光の条件は以下の通りで,位相差により決まる
波長板は位相シフトを与える素子であり,位相シフトと物質の厚さの関係式については以下の通り。京大物理2023ではこの考え方を用いる問題が出題された。
セナルモン法は,1/4波長板と偏光子を組み合わせて,試料透過後の楕円偏光を直線偏光に戻すことで試料のリターダンスを決定する手法である。ここでは,ジョーンズ計算法により出力が方位角φ/2の直線偏光であることを示す。リターダンスは直線偏光子を回転させて消光したときの方位角から求められる。
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