書記が物理やるだけ#334 基本増幅回路のシミュレーション
増幅回路の性質をシミュレーションで確認していく。
問題
説明
エミッタ接地増幅回路を用いることで,電圧を増幅することができる。ただし,バイアス電圧が少なすぎると増幅作用が小さくなり,大きすぎると電流が流れなくなってしまうため,適正なバイアス電圧を決める必要がある。
接地方法による違いは,概ね以下のようになる。
解答
バイアス電圧がなぜ必要かというと,交流電流を入力とした場合に逆方向電圧では電流が流れないためである。そこで,バイアス電圧として一定量の直流電圧をかけることにより電流が流れるようになる。
ではこのエミッタ接地増幅回路についてDC動作点解析を実施していく。まず,出力DC電位は電源電圧の半分とする。これより,コレクタ電流は2.5mAとなる。
この回路に対し,バイアス電圧に対するコレクタ電流のDC解析を実施すると,2.5mAのコレクタ電流が得られるバイアス電圧は約678mVであることがわかる。
次に動作点を確認する。
上で示したバイアス電圧±10mAについて調べると,出力電圧は約90倍に増幅されることがわかる。
前回示した内容から,簡略小信号等価回路は以下のようになる。
電圧利得を計算するには入力電圧と出力電圧が分かればよい。
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